EC改修のパッケージ/クラウド製品一覧

EC改修は、既存のECサイトをまるごと作り替えるのではなく、決済方法の追加やカート機能の改善など、特定の範囲だけに手を入れる対応です。そのため、パターン11・12で扱ったような発注先選びに加えて、実際の改修作業で組み合わせる決済代行サービスや、既存のECプラットフォームが用意する拡張機能をどう選ぶかも、改修の成否を左右する重要な論点になります。

本記事では、EC改修で外部サービスを組み合わせる考え方を整理したうえで、2026年7月時点で現行の公式情報を確認できた決済代行サービス・ECプラットフォーム拡張機能の主要6件を紹介します。各サービスの特徴、改修範囲別の絞り方、料金・契約前の確認事項、デモや検証で押さえるべきポイントまで解説しますので、改修に使う外部サービスを比較する際の基準としてご活用ください。

本テーマに関する全体ガイドは、以下の記事をご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・EC改修の完全ガイド

EC改修で外部サービスを組み合わせる考え方

EC改修で外部サービスを活用する考え方を整理する担当者

EC改修は、システムそのものを買い替えるプロジェクトではありません。既存のECサイトを土台として残したまま、決済代行サービスとのAPI連携や、利用中のECプラットフォームが提供するアプリストア経由の機能追加といった、外部サービスの組み合わせで課題を解消する対応が中心になります。そのため本記事で紹介する「製品」は、フリーランス管理システムのような業務システムのパッケージではなく、改修の実務で実際に利用される決済代行サービスと、ECプラットフォームの拡張機能を指します。

決済手段の追加は決済代行サービスとのAPI連携が中心です

新しい決済手段を追加したい場合、多くは自社で決済処理を一から実装するのではなく、決済代行サービスが提供するAPIを既存のECサイトに組み込む形で対応します。決済代行サービスは、加盟店契約やセキュリティ対応をサービス側が担うため、改修としては比較的短期間で導入できる一方、審査期間や既存システムとの接続方式によって実際にかかる期間は変わります。

カート・ページ改修はプラットフォームの拡張機能が候補になります

ShopifyやカラーミーショップのようなECサイト構築プラットフォームを利用している場合、カート機能の改善や特定ページの見た目調整は、プラットフォームが用意するアプリストアから該当機能を追加する形でも対応できます。ゼロから開発するより短期間で導入できる可能性がある反面、アプリごとの料金や、既存のカスタマイズとの相性は個別に確認する必要があります。

外部サービスを比較するときの共通軸

EC改修に使う外部サービスの比較軸を確認するチーム

紹介ページの機能一覧だけでは、自社の改修範囲に適合するかどうかを判断できません。候補を同じ条件で比べるため、対応決済手段・拡張機能の範囲、料金体系、既存システムとの接続方式、セキュリティという4つの軸に置き換えて確認します。

対応範囲と既存システムとの接続方式を確認します

決済代行サービスであれば対応する決済手段の幅、プラットフォーム拡張機能であれば対応するカート・ページの範囲を確認します。あわせて、既存のECサイトがAPI連携で組み込むのか、ノーコードのダッシュボード操作だけで導入できるのかという接続方式の違いも、改修にかかる開発工数に直結します。評価の進め方については、EC改修の選定ポイント・選び方・種類で解説した発注先の評価軸と合わせて確認すると、比較の抜け漏れを防ぎやすくなります。

料金体系とセキュリティ対応を確認します

決済代行サービスは、初期費用・月額固定費の有無に加え、決済手数料の料率が売上規模によって変わることがあります。プラットフォーム拡張機能も、月額プランと決済手数料が連動していることが多く、公開されている料金だけでなく、自社の想定取扱高で試算することが欠かせません。セキュリティ面では、3Dセキュアなどの不正利用対策への対応状況や、加盟店契約・審査にかかる期間も確認しておくと、想定より導入が遅れる事態を避けやすくなります。

決済手段の追加に使える決済代行サービス4選

決済代行サービスを比較する担当者

ここでは、2026年7月時点で現行の公式ページと対応決済手段を確認できた決済代行サービス4件を紹介します。掲載順は優劣を示すランキングではなく、既存ECサイトへ決済方法を追加する改修で候補になりやすい順に並べています。

GMOペイメントゲートウェイ(PGマルチペイメントサービス)

GMOペイメントゲートウェイは「PGマルチペイメントサービス」として、クレジットカード、コンビニ決済、銀行振込(バーチャル口座)、GMO後払い、Google Pay・Apple Payなどのキャリア決済、PayPay・d払い・楽天ペイ・Amazon Pay・メルペイといったスマートフォン決済まで、国内外あわせて30以上の決済手段に対応する総合オンライン決済サービスを提供しています。同社公式サイトによると、決済開発ドキュメントも公開されており、既存ECサイトへの決済手段追加を検討する際の実装イメージをつかみやすい構成です。2026年7月にもPayPay給与受取対応サービスに関するプレスリリースが掲載されており、現行稼働を確認しています。料金は初期費用・月額費用・決済手数料とも非公開で、問い合わせ・資料請求を通じた個別見積もりの形式です。

PAY.JP

PAY.JPは、クレジットカード決済(Visa・Mastercard)と3Dセキュアに対応する、開発者がウェブサービスへ組み込みやすい決済APIです。ノーコードでの導入というよりは、既存のECサイトのシステムに実装を加える形で決済手段を追加する改修に向いています。同社公式サイトには、導入費用0円、固定費なし、トランザクション費用0円、カード決済手数料2.59%〜という従量課金の料金体系が2026年7月時点で掲載されています。プランによって手数料率が異なる旨も記載されているため、実際の適用条件は契約時に公式サイトで確認することが必要です。

Univapay

Univapayは、クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済に加え、PayPay・d払い・Alipay+・WeChat Payといった国内外のQRコード・モバイルウォレット決済、3種18か国以上の海外ウォレットまで幅広く対応する決済プラットフォームです。都度課金だけでなく定期課金や分割決済にも対応しており、越境ECを含む取引の多様な決済手段追加を検討する企業の候補になります。公式サイトにはデモアカウントの申込・導入相談の窓口が用意されており、現行稼働を確認していますが、料金(初期費用・月額・決済手数料)はページ上に具体的な記載がなく、問い合わせによる見積もりが必要です。

Stripe

Stripeは、135以上の対応通貨・決済手段を扱うグローバルな決済サービスで、オンライン決済に加え対面決済やサブスクリプション課金にも対応します。公式サイトによると、既存サイトへの組み込み方法として、コード不要でダッシュボードから請求設定や決済用リンクを作成する方式、連携プラットフォームを活用する方式、独自に実装する方式の3通りが用意されており、改修の規模に応じて選べる点が特徴です。料金については「初期費用や月額費用の固定費はありません」と明記されていますが、具体的な手数料率は料金ページでの確認が必要なため、本記事では固定費なしという事実のみを記載します。

カート・ページ改修に使えるECプラットフォームの拡張機能2選

ECプラットフォームの拡張機能を確認する担当者

既存のECサイトを特定のプラットフォーム上に構築している場合は、決済代行サービスとの個別連携以外に、プラットフォームが提供するアプリストア経由での機能追加も選択肢になります。ここでは公式ページを確認できた2件を紹介します。

Shopify

Shopifyは、ウェブサイトビルダーやテーマによるデザイン構築に加え、13,000以上のアプリを揃えるApp Storeを備えたECプラットフォームです。公式サイトによると、注文・在庫管理、配送管理、ワークフロー自動化、分析ツールなどの標準機能に加え、App Storeから在庫連携やレビュー機能、決済関連のアプリを追加することで、既存サイトを作り替えずに機能を拡張できます。実店舗向けのShopify POSやAIチャットを通じた販売機能なども案内されており、現行稼働を確認していますが、具体的な料金プランの金額は本ページ上に記載がなく、公式の料金ページでの確認が必要です。

カラーミーショップ

カラーミーショップは、GMOペパボが運営するECサイト構築サービスで、アプリストアを通じて集客強化や業務効率化のための機能を追加できる仕組みを備えています。2026年7月時点の公式サイトには、レギュラー月額4,950円(決済手数料3.4%〜)、ラージ月額9,595円(決済手数料3.19%〜)、プレミアム月額35,640円〜(決済手数料2.99%〜、専任ECアドバイザー配置)という3つのプランが掲載されています。プラン間の月額費用と決済手数料の料率がトレードオフの関係にある点は、想定取扱高を踏まえて試算する際の判断材料になります。最新のプラン内容・価格は契約前に公式サイトで確認してください。

自社の改修範囲別に候補を絞る方法

改修範囲別に候補を絞り込むチーム

6件を一斉に比較するより、自社が改修したい範囲を先に決め、必要なタイプから検討する方が効率的です。決済手段の追加、カート・ページの調整、複数機能を段階的に見直したい場合とで、適したサービスタイプが異なります。

決済手段の追加が目的の場合

特定の決済手段だけを追加したい場合は、GMOペイメントゲートウェイ、PAY.JP、Univapay、Stripeを候補にします。国内の幅広いスマートフォン決済に対応したいならGMOペイメントゲートウェイやUnivapay、開発者主導でシンプルにクレジットカード決済を組み込みたいならPAY.JP、越境ECやグローバル展開も視野に入れているならStripeというように、対応決済手段の幅と自社の販売チャネルを照らし合わせて絞り込みます。

カート・ページの調整が目的の場合

カート機能の改善やページのレイアウト調整が中心であれば、利用中のプラットフォームがShopifyやカラーミーショップのようにアプリストアを備えているかを確認します。すでにこれらのプラットフォームを利用している場合は、ゼロから開発するよりアプリの追加で対応できる可能性があり、費用と期間を抑えやすくなります。プラットフォームに依存しない独自構築のECサイトであれば、個別のエンジニアやベンダーへの発注を検討することになります。

複数の改修を段階的に進めたい場合

決済手段の追加とカート改善のように複数の課題を同時に抱えている場合、一度にすべてを解決しようとせず、優先度の高い課題から段階的に着手する進め方が有効です。たとえば、まず決済代行サービスとの連携で決済手段を追加し、運用が安定した段階でプラットフォームのアプリを使ってカート周りを調整する、といった順序を決めておくと、一つひとつの改修規模を小さく保てます。段階的に進める場合も、各段階でどこまでテストするかを事前に決め、前段階の改修が次の段階に悪影響を与えないかを都度確認することが欠かせません。

料金・契約前に確認すべきこと

料金・契約条件を確認する担当者

公開されている料金の一部だけを見て安価だと判断すると、実際の取扱高で計算したときに想定より費用がかさむことがあります。月額固定費だけでなく、決済手数料や審査・導入にかかる期間まで含めて確認します。

想定取扱高で決済手数料を試算します

決済代行サービスの多くは、月額固定費なしで決済手数料のみが発生する従量課金型ですが、料率はサービスやプランによって異なります。自社の月間取扱高を各社へ伝え、同じ条件で見積もりを取ることで、公開されている「〜%から」という表示だけでは見えない実質的な費用差を把握できます。料金が非公開・要問い合わせの製品については、確認できない具体額を比較表へ推測で記載しないよう注意が必要です。

審査期間とデータの持ち出しやすさを確認します

決済代行サービスの利用開始には、加盟店契約に伴う審査が必要になることが一般的で、審査にかかる期間は改修全体のスケジュールに直結します。プラットフォームのアプリストア経由の拡張機能についても、解約や乗り換えの際にデータをどこまで引き継げるかを事前に確認しておくと、将来的な移行の負担を抑えられます。

EC改修導入前に確認しておきたいポイント

EC改修の外部サービス選定で確認しておきたいポイント

候補を絞った後も、公開情報だけで決めず、既存システムとの相性や検証の進め方まで確認しておくべき点があります。

公式ページで現行稼働を確認できないサービスは掲載していません

本記事では、2026年7月時点で公式ページにアクセスし、現行稼働を確認できたサービスのみを掲載しています。比較サイトや古い情報だけを根拠にした断定は避け、候補にしているサービスが提供終了していないか、必ず公式サイトで最新の状態を確認してください。

本契約前にテスト環境での接続確認をおすすめします

決済代行サービスの多くはテスト環境を用意しており、本番契約の前にAPI連携が既存システムと問題なく動作するかを確認できます。特に決済方法の追加は仕様確認や相手企業とのやり取りで遅延しやすいため、テスト環境での動作確認を開発の早い段階で済ませておくと、公開までのスケジュールを安定させやすくなります。

まとめ

EC改修の外部サービス活用方針をまとめる担当者

EC改修で組み合わせる外部サービスは、決済手段を追加する決済代行サービスと、カート・ページを調整するECプラットフォームの拡張機能に大きく分かれます。今回紹介した6件にも、対応する決済手段やアプリの範囲、料金体系にそれぞれ違いがあります。

改修範囲を決めてから外部サービスを絞り込みます

決済手段の追加か、カート・ページの調整かを先に決め、対応範囲、料金体系、既存システムとの接続方式という共通軸で候補を比較します。テスト環境での接続確認まで済ませてから本契約に進めば、公開後の想定外のトラブルを避けやすくなります。

外部サービスで吸収できない要件は個別開発も選択肢です

決済代行サービスやプラットフォームの拡張機能では対応できない独自の業務フローや、既存の基幹システムとの深い連携が必要な場合、外部サービスの組み合わせだけで改修を完結させるのは難しくなります。そうしたケースでは、無理に外部サービスへ合わせるのではなく、個別開発を含めた対応を検討したほうが、結果的に手戻りの少ない改修につながります。riplaはフルスクラッチ開発の立場から、外部サービスでは吸収しきれない改修要件の整理や、既存システムと連携した個別開発を支援しています。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。

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