問診システムを探すと、電子カルテとの連携に強い製品、オンライン診療や電子同意書まで一体で扱う製品、AIが症状に応じて設問を出し分ける製品など、さまざまなサービスが見つかります。名称や機能一覧だけでは違いが分かりにくく、知名度だけで選ぶと、自院が使う電子カルテとの連携実績がなく、結局は手入力が残ることもあります。
本記事では、パッケージ型とクラウド型の違いを整理したうえで、2026年7月時点で現行の公式情報を確認できた主要5製品を紹介します。各製品の得意領域、課題別の絞り方、料金・契約条件、デモやPoCで確認すべきポイントまで解説しますので、候補製品を比較する際の基準としてご活用ください。
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パッケージ型とクラウド型問診システムの違い

パッケージ型は自院サーバーへの導入や個別構築を含む広い意味で使われる一方、クラウド型はベンダーが運用するサービスをインターネット経由で利用する方式です。現在、具体的な問診製品として比較しやすいのはクラウド型が中心であり、本記事も現行の公式情報を確認できたクラウドサービスを対象にしています。
パッケージ型は自院運用と個別要件への対応が論点です
従来型のパッケージは、ソフトウェアを買い切って自院のサーバーへ導入する形態を指すことが一般的です。院内独自のセキュリティ基準や閉域網、複雑な部門システム連携に対応しやすい可能性がある反面、サーバー、監視、バックアップ、バージョンアップを自院側で担う範囲が大きくなります。医療情報の安全管理に関する考え方も継続的に更新されるため、導入時の自由度だけでなく、改修を継続できる体制と費用まで確認しなければなりません。
現在の問診システム市場では、こうした自院サーバー完結型として個別に紹介できる具体的な製品は限られており、パッケージ型を厳密に希望する場合は、既製クラウド製品の枠にとらわれず、個別開発やハイブリッド構成まで含めて比較検討する必要があります。
クラウド型は短期導入とガイドライン対応の追随に向いています
クラウド型は、サーバー調達をせずに利用を始めやすく、ベンダーによる機能更新やセキュリティ対策の追随を受けられる点が特徴です。ただし、クラウドサービスを導入するだけで医療情報の安全な取り扱いが保証されるわけではありません。自院の権限設定、アクセスログの確認、委託先の選定基準を整理し、システム上の設定へ落とし込む必要があります。
製品を比較するときの共通軸

製品紹介ページの機能一覧だけでは、自院の診療科構成や電子カルテとの組み合わせに適合するか判断できません。候補を同じ条件で比べるため、業務カバー範囲、患者側の使いやすさ、連携、セキュリティ、料金体系を共通の質問に置き換えることが重要です。
問診入力から電子カルテ反映までのカバー範囲をそろえて比べます
最初に、来院前入力、院内タブレット入力、電子カルテへの転記、オンライン診療、電子同意書のうち、どこまでが標準機能かを確認します。「電子カルテ連携に対応」という説明でも、全項目が自動で転記される方式と、一部の項目だけが転記され残りは手入力する方式では、受付担当者の作業量が大きく異なります。自院で実際に使っている電子カルテとの組み合わせ実績があるかを具体的に確認することが欠かせません。
患者側画面・連携・セキュリティまで確認します
院内の管理画面が使いやすくても、患者側の入力画面が分かりにくければ、問い合わせ対応が増えて定着しません。文字サイズ、選択式設問の充実度、多言語対応、代理入力のしやすさを確認します。同時に、通信の暗号化、アクセス権限、保存先、契約終了時のデータ返却・削除条件も比較します。詳しい評価手順は、問診システムの選定ポイント・選び方・種類で整理しています。
問診システムの主要クラウド製品5選

ここでは、2026年7月時点で現行の公式ページと対象業務を確認できた5製品を紹介します。掲載順は優劣を示すランキングではありません。製品ごとに得意とする業務や料金の公開状況が異なるため、自院の課題と電子カルテの組み合わせをそろえて比較することが重要です。
メルプWEB問診
メルプWEB問診は、現役医師が起業した企業が提供する問診システムで、2,000以上の医療機関に導入されています。同社によれば、Bluetooth技術を用いた特許連携方式により、多くの電子カルテと短時間で接続できるとされ、チャット形式で回答しやすい画面設計や、既存の紙問診票をベースにしたテンプレート変換にも対応しています。料金は公式サイトに具体的な記載がなく、個別相談・説明会を通じて案内される形式のため、自院の患者数や必要機能を提示して見積もりを取得することが適切です。
SymView
SymViewは、株式会社レイヤードが提供する問診・診療DX支援サービスで、全国約2,500医療機関で利用されているとされています。WEB問診から電子カルテへの転記、オンライン診療、電子同意書までを一つのサービスで扱える点が特徴です。2026年7月時点の公式サイトには、基本パッケージが初期費用110,000円・月額11,000円、電子同意書オプションが初期費用55,000円・月額5,000円に加えて利用量に応じた課金という料金が掲載されています。適用条件と最新価格は見積時に確認してください。
CLINICS WEB問診
CLINICS WEB問診は、株式会社メドレーが提供するクラウド電子カルテ「CLINICS」の一機能として位置づけられています。患者アプリ「melmo」から予約時に事前問診へ回答すると、内容がそのままカルテへ反映され、患者が入力した表現を医療用語へ変換してワンクリックで転記できる仕組みです。当日来院の患者もスマートフォンやタブレットで回答できるため、紙の問診票を残さない運用と親和性があります。すでに電子カルテとしてCLINICSを利用している、または利用を検討している施設が優先的に比較しやすい候補です。問診機能単体の料金は公式ページに記載がなく、料金プランページでの個別確認が必要です。
AI問診ユビー
AI問診ユビーは、Ubie株式会社が提供する病院・クリニック向けのAI問診サービスです。全国47都道府県で1,800以上の医療機関に導入実績があり、公式サイトによれば50床未満の診療所から1,000床超の病院まで幅広い病床規模に対応するとされています。患者の主訴や回答に応じてAIが設問を最適化し、電子カルテの下書きを即時生成する機能が特徴で、全電子カルテシステムとの連携にも対応するとの記載があります。ISMS認証を取得し、医療情報の安全管理に関するガイドラインに準拠したクラウド型として運用されています。料金は非公開で、問い合わせまたは資料請求を通じた確認が必要です。
MAPs for CLINIC Web問診機能
MAPs for CLINICは、1980年創業の株式会社EMシステムズが提供するクラウド電子カルテで、3,000箇所以上の医療機関に導入されています。単体の問診専用製品ではなく、Web予約・問診で入力された患者情報や回答内容を電子カルテへ自動転送する電子カルテ一体型の位置づけで、外部の予約・問診サービスと連携する形で機能を提供している点に注意が必要です。すでにMAPs for CLINICを電子カルテとして利用している施設や、これから電子カルテと問診をまとめて選び直したい施設が比較対象にしやすい候補です。連携先の一部プランについては料金の記載を確認できましたが、機能全体の料金は公式ページに記載がなく、個別の問い合わせが必要です。
自院の課題別に候補を絞る方法

5製品を一斉に細部まで比較するより、最も大きな課題を一つ決め、必須要件で候補を減らす方が効率的です。聞き取り負担の軽減、電子カルテとの一体運用、AIによる設問精度では、適した製品タイプが異なります。
問診入力・電子カルテ連携を強化したい場合
紙の問診票からの脱却と、電子カルテへの転記負担軽減を最優先にするなら、メルプWEB問診やSymViewのような問診専用サービスから検討します。オンライン診療や電子同意書まで一体で扱いたい場合はSymViewを、料金体系が公式サイトで確認しやすい製品を軸に比較したい場合はその点を重視して候補を絞り込みます。
電子カルテ一体運用やAI設問の精度を重視したい場合
電子カルテと問診をまとめて一つの契約・サポート窓口で運用したい場合は、CLINICS WEB問診やMAPs for CLINICのような電子カルテ一体型・連携型を候補にします。症状の幅が広い初診で設問精度を重視する場合や、電子カルテの下書き作成まで期待する場合は、AI問診ユビーが比較対象になります。病床規模が大きい病院では、導入実績や病床規模別の対応幅も確認しておくとよいでしょう。
料金・契約前に確認すべきこと

公開価格だけで安価な製品を選ぶと、電子カルテ連携や患者数増加によって想定外の費用が生じることがあります。料金表に載る月額費用だけでなく、初期設定、院内教育、日常運用、将来の解約・データ移行まで含む総保有コストで判断します。
特にオプション機能は、基本料金に含まれるのか、別契約になるのかで総額が大きく変わります。オンライン診療や電子同意書などの周辺機能を将来的に使う可能性がある場合は、契約時点でまとめて確認しておくと、後からの追加交渉を減らせます。
何に対して課金されるかを確認します
クラウド製品の料金は、月額固定、患者数、問診件数、オプション機能の有無など、課金単位が異なる場合があります。現在の患者数だけでなく、1年後・3年後の想定患者数を伝え、初期費用、最低利用期間、電子カルテ連携の追加費用、サポートの費用を同じ条件で見積もります。料金が非公開または要問い合わせの製品は珍しくないため、確認できない具体額を比較表へ推測で入れてはいけません。
データ保持・ガイドライン対応・解約条件を契約書で確認します
クラウドサービスでは、症状・既往歴といった要配慮個人情報を扱います。権限管理、操作ログ、通信・保存時の保護、障害時の復旧、委託先、データ保管場所に加え、解約時にどの形式でデータを受け取れるかを確認します。医療情報の安全管理に関する考え方は継続的に更新されるため、製品の対応機能と、自院が行う運用・判断を分けて整理することが必要です。
特に、電子カルテ一体型のように外部の予約・問診サービスと連携する構成では、どの事業者がどの範囲のデータを保持するのかが分かりにくくなりがちです。契約前に、連携先も含めたデータの流れと責任範囲を図で整理しておくと、解約や乗り換えの際にトラブルを避けやすくなります。
デモとPoCで製品一覧を最終候補へ絞る

資料比較で2〜3製品まで絞ったら、実際の診療科構成と患者層を使ってデモまたはPoCを行います。受付担当者だけでなく、看護師、医師、可能であれば患者本人にも操作してもらうと、導入後の行き違いを減らせます。
1案件を最初から最後まで通します
予約または来院、問診案内の送付、患者入力、電子カルテへの反映、診察室での参照までを、一つの実在に近い診療シナリオで確認します。正常な入力だけでなく、入力途中での離脱、当日受診で事前入力ができなかった場合の代替手順、多言語での入力も試します。患者側は職員に協力してもらい、案内から入力完了まで説明なしで操作できるかを見ると、院内マニュアルや問い合わせ窓口に必要な準備が分かります。
導入効果を実測して院内提案に使います
PoC前に、聞き取りにかかる時間、電子カルテへの転記時間、患者からの問い合わせ件数を記録し、PoC後と比較します。公開されている他院の事例をそのまま自院へ当てはめるのではなく、自院の患者数と職員の人件費で削減見込みを算出します。クラウド型でもアカウント管理、テンプレートの見直し、問い合わせの一次対応は残るため、その運用工数も差し引いて投資判断を行うことが重要です。
問診システムの製品比較で押さえておきたいポイント

製品一覧から候補を選ぶ際は、買い切り型の有無やおすすめ順位だけでなく、自院の診療科構成と電子カルテの組み合わせを同じ条件で比較する必要があります。ここでは、選定時に判断が分かれやすいポイントを整理します。
パッケージ型が必要な場合は個別開発も比較します
現在、具体的な機能や料金を確認しやすい問診システムはクラウド型が中心です。オンプレミスや買い切りが必須の場合は、業務要件を整理したうえで、個別開発やクラウドサービスと院内基幹システムを組み合わせるハイブリッド構成も比較してください。
おすすめ製品は最優先課題によって変わります
全院に共通する1位の製品はなく、問診入力の効率化、電子カルテとの一体運用、AIによる設問精度など、最優先課題に合う製品がおすすめです。まず必須要件で2〜3製品へ絞り、同じシナリオのデモまたはPoCで比較してください。比較記事のランキング表現だけを根拠にせず、自院の患者層と診療科構成に置き換えて検証することが欠かせません。
料金は3年間の総保有コストで比較します
同じ患者数、診療科構成、連携条件を各社へ提示し、3年程度の総保有コストで比較します。初期費用と月額費用だけでなく、電子カルテ連携の設定費用、院内教育、解約時のデータ出力にかかる費用も含めてください。
まとめ

問診システム市場では、買い切り型の具体的な製品を無理に探すより、継続的に更新されるクラウド型を、自院の課題と電子カルテの組み合わせに合わせて比較することが現実的です。今回紹介した5製品にも、問診専用、電子カルテ一体型、AI活用など、異なる特徴があります。
課題診断から2〜3製品へ絞り込みます
聞き取り負担の軽減、電子カルテとの一体運用、AIによる設問精度のうち、最優先課題を決めます。そのうえで業務カバー範囲、連携、患者側UI、セキュリティ、料金を同じ質問で比較すれば、広告的な順位に左右されず候補を絞れます。
最後は実際の診療フローのPoCで確認します
資料上の機能数ではなく、自院の受付から診察までを一気通貫で処理できるかが重要です。患者本人を含む関係者で例外運用まで試し、削減時間と残る運用工数を測ったうえで決定してください。評価軸の立て方をあらためて確認したい場合は、問診システムの選定ポイント・選び方・種類もあわせてご参照ください。既製クラウド製品では独自の診療フローや基幹システム連携を吸収できない場合、個別開発やハイブリッド構成も検討対象になります。riplaはフルスクラッチ開発の立場から、製品比較で明らかになった不足機能の整理や、自院の業務に合わせたシステム構築を支援しています。
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・問診システム開発の完全ガイド
株式会社riplaでは、IT事業会社出身のプロフェッショナルが「Impact-Driven型支援」を通じて、プロダクトやシステムの納品・提供を目的とせず、お客様と同じ目線で、事業成果の達成をゴールとして、高品質なDX/開発支援をいたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
