受託開発の発注方法|契約形態の選び方から発注成功のポイントまで

受託開発を外注したいと思っても、「どのように発注すればよいか」「どの契約形態を選べばよいか」と悩む方は少なくありません。発注の仕方を誤ると、追加費用の請求・品質問題・納期遅延といったトラブルに発展するリスクがあります。本記事では受託開発の発注の基本的な流れ・契約形態の選び方・発注時の注意点・成功のポイントまでを分かりやすく解説します。初めて受託開発を外注する方にも実践的な内容をお届けします。

本テーマに関する全体ガイドは、以下の記事をご覧ください。

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・受託開発の完全ガイド|進め方・費用・おすすめ会社を徹底解説

受託開発の発注の基本的な流れ

受託開発の発注の基本的な流れ

受託開発を発注する際の標準的な流れを把握しておくことで、スムーズな進行が可能になります。各ステップで何を行うべきかを確認しましょう。

要件整理→RFP→見積→契約→開発→検収の流れ

受託開発の発注は大きく6ステップで進みます。①要件整理:自社の課題・目的・必要な機能・予算・スケジュールを社内で整理します。関係部署の意見を集約し、優先順位をつけておくことが重要です。②RFP作成・提案依頼:整理した要件をRFP(提案依頼書)にまとめ、候補となる開発会社3〜5社に提案依頼を行います。③見積・提案評価:各社からの見積もり・提案書を比較し、価格・技術力・体制・スケジュールを総合的に評価します。④契約締結:発注先を決定したら、契約書・作業仕様書・NDA(秘密保持契約)を締結します。⑤開発・進捗管理:開発フェーズでは定期的な進捗確認を行います。⑥検収・納品:完成物が要件通りかを確認し、合格すれば検収完了・代金支払いとなります。

契約形態の選び方

受託開発の契約形態

受託開発の契約形態を正しく選ぶことが、費用・リスク・柔軟性のバランスを最適化するうえで重要です。主な契約形態の違いを理解しましょう。

請負契約 vs 準委任契約

受託開発の主な契約形態は「請負契約」と「準委任契約(SES含む)」の2種類です。請負契約は「成果物(納品物)の完成」に対して報酬を支払う形態で、仕様が明確な場合に向いています。開発会社は完成責任を負い、瑕疵担保責任(民法上の契約不適合責任)も適用されます。一方、準委任契約は「作業(工数)」に対して報酬を支払う形態です。月額単価×稼働月数で費用が計算され、要件変更への柔軟な対応が可能です。ただし成果物の完成責任は受注者にないため、発注者側での品質管理が求められます。仕様が明確で変更が少ない場合は請負、アジャイルで要件を変えながら進める場合は準委任が適しています。

一括発注 vs 分割発注

発注方法には「一括発注」と「フェーズ分割発注」があります。一括発注は要件定義から保守まで1社に一括で委託する方法で、管理コストが低くコミュニケーションがシンプルです。一方、フェーズ分割発注は要件定義フェーズ・設計フェーズ・開発フェーズ・保守フェーズを別々に発注・契約する方法です。各フェーズで成果物を確認してから次フェーズに進めるため、リスク管理がしやすくなります。初めての受託開発では要件定義フェーズのみまず発注して開発会社との相性を確認してから、次フェーズを発注する分割発注がリスク軽減に有効です。費用は要件定義フェーズ単体で50〜200万円程度が目安です。

発注時の注意点

受託開発発注時の注意点

受託開発の発注では見落としがちなリスクポイントが複数存在します。契約前に必ず確認しておきましょう。

仕様書の精度・追加費用リスク・知的財産権

発注時に特に注意すべきポイントは3点です。①仕様書の精度:仕様書が曖昧だと開発会社との認識齟齬が生まれ、後で「言った・言わない」のトラブルになります。画面モックアップ・業務フロー図・データ定義書など視覚的に分かりやすい資料を整備しましょう。②追加費用リスク:請負契約の場合、当初の仕様範囲外の変更は追加費用が発生します。変更管理ルール(変更依頼→見積→合意→対応)を契約書に明記しておきましょう。また「想定外の作業」が発生しやすい領域(外部連携・データ移行・セキュリティ対応)は特に詳細に仕様を定義することが重要です。③知的財産権:開発したシステムのソースコードの著作権がどちらに帰属するかを契約で明確にしましょう。発注者帰属とすることが一般的ですが、開発会社が帰属を求めるケースもあるため要注意です。

発注を成功させるポイント

受託開発発注を成功させるポイント

受託開発の発注を成功に導くために、発注者として意識すべきポイントをまとめます。

体制整備・コミュニケーション・マイルストーン管理

発注を成功させるための3つのポイントをご紹介します。①体制整備:発注者側にプロジェクトオーナー(意思決定者)と担当窓口(PM)を明確に設置しましょう。開発会社からの質問・相談に迅速に回答できる体制が、プロジェクトの遅延防止につながります。業務側担当者(要件を知っている人)と技術側担当者(ITを理解している人)の両方を配置するのが理想的です。②コミュニケーション:週次の進捗報告会を設け、課題・リスクを早期に共有するルーティンを作りましょう。Slackなどのチャットツールを活用してリアルタイムの情報共有を促進することも有効です。③マイルストーン管理:要件定義完了・設計完了・開発完了・テスト完了・リリースなどのマイルストーンと成果物の確認基準を事前に設定します。各マイルストーンでの承認フローを明確にしておくことで、後工程でのトラブルを防ぐことができます。

まとめ

受託開発の発注を成功させるには、①要件整理→RFP→見積→契約→開発→検収の流れを理解すること、②プロジェクトの性質に合った契約形態(請負 or 準委任)を選ぶこと、③仕様書の精度・追加費用リスク・知的財産権に注意した契約書を整備すること、④発注者側の体制整備とコミュニケーション・マイルストーン管理を徹底することが重要です。初めての受託開発では、フェーズ分割発注で要件定義フェーズから始める方法がリスク軽減に有効です。信頼できる開発パートナーを見つけて、早めに相談することをおすすめします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。

 

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