Laravel開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

Laravelは、PHPで最も人気の高いWebアプリケーションフレームワークの一つです。2011年にTaylor Otwellによって開発されて以来、その洗練されたシンタックスと豊富な機能により、世界中の開発者から支持を集めています。2024年現在、GitHubのスター数は75,000を超え、PHPフレームワークの中でも圧倒的なシェアを誇ります。しかし、Laravelを使ったシステム開発を成功させるためには、適切な進め方・手順・工程を理解した上でプロジェクトを進めることが重要です。

本記事では、Laravel開発を検討している企業の担当者やエンジニアに向けて、開発の全体像から具体的な進め方、費用相場、見積もりのポイントまでを詳しく解説します。Laravel開発で失敗しないためのノウハウを凝縮した内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

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Laravel開発の全体像

Laravel開発の全体像

Laravelを使った開発プロジェクトは、一般的なWebシステム開発の流れと大きく異なるわけではありませんが、Laravelならではの特性を活かした進め方があります。まず全体像を把握することで、プロジェクトの各フェーズにおいて何を意識すべきかが明確になります。

Laravelの特徴と開発スタイル

LaravelはMVC(Model-View-Controller)アーキテクチャを採用しており、コードの責務を明確に分離することができます。Eloquent ORMによるデータベース操作、Bladeテンプレートエンジンによるビュー作成、Artisanコマンドによる開発効率化など、現代のWeb開発に必要な機能が標準で搭載されています。また、Composerによるパッケージ管理により、豊富なエコシステムを活用した開発が可能です。こうした特性から、Laravel開発では最初の環境構築と設計段階でフレームワークの強みを最大限に活かす方針を決定することが重要になります。

特にLaravelの開発では、「設計の段階でどのLaravelの機能を使うか」を明確にしておくことが、後の開発効率に大きく影響します。例えば、認証機能にはLaravel Breezeやfortifyを使うか独自実装にするか、キャッシュにはRedisを使うかデータベースキャッシュを使うかなど、技術選定を前段階で行うことで開発中の手戻りを防ぐことができます。

Laravelが適したプロジェクトの種類

LaravelはWebアプリケーション全般に対応できる汎用性の高いフレームワークですが、特にCRUD操作が中心となる業務システム、ECサイト、会員制サービス、管理画面の開発に強みを発揮します。また、API開発においても、Laravel SanctumやPassportによる認証付きRESTful APIの構築が容易なため、フロントエンドをReactやVue.jsで構築し、バックエンドをLaravelで実装するようなSPA(シングルページアプリケーション)構成でも広く採用されています。実際、国内外の多くのスタートアップや中規模企業がLaravelを採用しており、エンジニアの採用や外注先の確保においても比較的容易な技術スタックと言えます。

一方で、リアルタイム性の高いシステムや超大規模なトラフィックを処理するシステムの場合は、Node.jsやGoなどの選択肢も検討すべきでしょう。Laravelを選定する際には、プロジェクトの要件と特性を照らし合わせた上で判断することが大切です。

Laravel開発の進め方

Laravel開発の進め方

Laravel開発は、大きく「要件定義・企画」「設計・開発」「テスト・リリース」という3つのフェーズに分けて進めるのが一般的です。それぞれのフェーズで必要な作業と注意点を詳しく解説します。

要件定義・企画フェーズ

Laravel開発の成否を大きく左右するのが、最初の要件定義・企画フェーズです。このフェーズでは、「何を作るか」「誰が使うか」「どんな機能が必要か」を明確にします。具体的には、ビジネス要件の整理、ユーザーストーリーの作成、機能要件と非機能要件の定義を行います。機能要件とは、ログイン機能、検索機能、決済機能といった具体的な機能のことを指し、非機能要件とはパフォーマンス(ページ表示速度1秒以内など)、セキュリティ(SSL対応、不正アクセス対策など)、可用性(稼働率99.9%以上など)といった品質に関する要件です。

要件定義の段階でよくある失敗が、要件の曖昧さです。「使いやすいUI」「スムーズな動作」といった抽象的な表現は、後の工程で認識齟齬を生む原因となります。要件は可能な限り数値や具体的な条件で表現することが重要です。また、Laravel開発における要件定義では、既存システムとの連携有無、使用するデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)、クラウド環境(AWS、GCP、Azureなど)の選定も行います。これらの技術的な選定事項を早い段階で決定しておくことで、設計・開発フェーズをスムーズに進めることができます。

設計・開発フェーズ

要件定義が完了したら、次は設計・開発フェーズに入ります。設計フェーズでは、システム全体のアーキテクチャ設計、データベース設計(ER図の作成)、画面設計(ワイヤーフレームの作成)、API設計(エンドポイントの定義)を行います。Laravelでは、Migrationファイルを使ってデータベースのスキーマを管理するため、ER図をもとにMigrationファイルの構成を事前に検討しておくと、開発効率が上がります。

開発フェーズでは、まず開発環境の構築から始めます。Laravel Sailを使ったDockerベースの開発環境、またはValet(Mac向け)、Homestead(Vagrant)などの選択肢があります。近年はLaravel Sailを使ったDocker環境が主流になっており、チーム全員が同じ環境で開発できるという利点があります。環境構築後は、Artisanコマンドを活用してモデル、コントローラー、マイグレーション、ファクトリー等のファイルを生成し、機能ごとに実装を進めていきます。開発は通常、アジャイル開発手法(スクラム等)を採用し、2週間程度のスプリントを繰り返しながら機能を積み上げていく方法が多く採られています。

テスト・リリースフェーズ

開発が完了したら、テスト・リリースフェーズに入ります。Laravelには標準でPHPUnitが組み込まれており、単体テスト(Unit Test)と機能テスト(Feature Test)を記述することができます。テスト駆動開発(TDD)を採用するプロジェクトでは、実装前にテストを書き、テストが通るようにコードを実装するという手法を取ります。テストカバレッジ(テストがカバーするコードの割合)は、プロジェクトの品質基準に合わせて設定しますが、重要な機能については80%以上のカバレッジを目指すことが推奨されています。

テストが完了したら、ステージング環境(本番環境に近い環境)でのUAT(ユーザー受け入れテスト)を実施します。UATでは実際のユーザーやクライアントにシステムを操作してもらい、要件通りに動作するかを確認します。問題がなければ本番環境へのリリースを行います。リリースにはLaravel ForgeBencher、DeployHQ、GitLab CIなどのデプロイツールを使うことが多く、ゼロダウンタイムデプロイ(サービスを停止せずにリリース)を実現することも可能です。リリース後も一定期間は不具合監視を行い、問題が発生した場合に迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。

費用相場とコストの内訳

Laravel開発の費用相場

Laravel開発の費用は、プロジェクトの規模や要件によって大きく異なります。小規模なWebアプリケーションであれば50万円程度から開発できる場合もありますが、中規模以上の業務システムになると300万〜1,000万円以上になることも珍しくありません。費用の相場と内訳を理解することで、適切な予算計画を立てることができます。

開発費用の内訳と規模別相場

Laravel開発の費用内訳は、大きく「要件定義・設計費用」「開発費用」「テスト費用」「インフラ費用」「保守・運用費用」に分けられます。一般的な割合として、要件定義・設計が全体の15〜20%、開発が40〜50%、テストが15〜20%、インフラ構築が10〜15%、残りが保守・運用に充てられます。小規模開発(LP、シンプルなWebアプリ)では50万〜200万円、中規模開発(EC、業務システム、会員制サービス)では200万〜800万円、大規模開発(複数システム連携、高トラフィック対応)では800万〜3,000万円以上が一般的な相場です。なお、フリーランスエンジニアへの発注は開発会社への発注より30〜40%程度安くなる傾向がありますが、プロジェクト管理やセキュリティ面でのリスクも増します。

費用に影響する主な要因

Laravel開発の費用に影響する主な要因として、まず「機能の複雑さ」が挙げられます。決済機能、外部API連携、リアルタイム通知(WebSocket)、画像・動画処理などの複雑な機能は、開発工数を大幅に増加させます。次に「カスタマイズの度合い」も重要で、既存のLaravelパッケージを活用できる範囲が広いほど、開発費用を抑えることができます。また、「開発チームの体制」も費用に大きく影響します。フルタイムの専属チームで開発するか、必要に応じて人員を増減させるフレキシブルな体制を取るかによって、コストの計算方法が異なります。さらに、「インフラ環境の要件」として、AWSのどのサービスを使うか、冗長化構成にするかどうかなども費用に影響します。

見積もりを取る際のポイント

Laravel開発の見積もりポイント

Laravel開発の見積もりを正確に取るためには、いくつかの重要なポイントがあります。適切な見積もりを得ることで、プロジェクトの予算計画が立てやすくなり、開発会社との認識齟齬も防ぐことができます。

RFP(提案依頼書)の準備

見積もりの精度を高めるためには、RFP(Request for Proposal:提案依頼書)を作成することが重要です。RFPには、プロジェクトの背景と目的、必要な機能一覧(優先度付き)、非機能要件(パフォーマンス、セキュリティ等)、開発スケジュールの希望、予算の上限、技術的な制約(使用するインフラ、既存システムとの連携等)を盛り込みます。RFPが詳細であればあるほど、見積もりの精度が上がり、複数社から比較検討しやすい見積もりを得ることができます。逆にRFPが曖昧な場合、見積もりの幅が大きくなり、後の追加費用や認識齟齬の原因となります。

複数社から見積もりを取る

Laravel開発の見積もりは、必ず複数社(3社以上推奨)から取るようにしましょう。同じ要件でも、開発会社によって見積もり金額に2〜3倍の差が生じることはよくあることです。価格だけでなく、提案内容、開発体制、過去の実績、アフターサポートの内容も比較検討することが重要です。特に、見積もりの内訳が明確かどうかを確認しましょう。「一式●●万円」という見積もりよりも、工程ごとに費用が分解されている見積もりの方が、後の変更や追加費用の交渉がしやすくなります。また、保守・運用費用も含めた総所有コスト(TCO)で比較することを忘れないでください。

契約形態の選び方

Laravel開発の契約形態には、主に「請負契約」と「準委任契約(時間・材料型)」の2種類があります。請負契約は、成果物(完成したシステム)の引き渡しを条件として費用が支払われる契約で、要件が明確で変更が少ないプロジェクトに向いています。予算が固定できる反面、要件変更が生じた際に追加費用が発生しやすいデメリットがあります。一方、準委任契約は、月額またはエンジニアの稼働時間に応じて費用が発生する契約形態で、要件が流動的なアジャイル開発や長期的な開発・保守プロジェクトに向いています。開発の透明性が高く、仕様変更への対応が柔軟な反面、コストが青天井になるリスクがあります。プロジェクトの性質に合わせて適切な契約形態を選択することが、コスト管理の観点からも重要です。

まとめ

Laravel開発まとめ

本記事では、Laravel開発の全体像から具体的な進め方、費用相場、見積もりのポイントまでを解説しました。Laravel開発を成功させるためのポイントを改めて整理すると、まず要件定義フェーズでの精度を高めることが最も重要です。曖昧な要件は後の工程での手戻りや追加費用の原因となるため、可能な限り具体的に定義することが求められます。設計・開発フェーズでは、Laravelの機能を最大限に活用した効率的な実装を心がけ、テスト駆動開発の考え方を取り入れることで品質を担保することができます。テスト・リリースフェーズでは、段階的なリリースと継続的なモニタリングにより、リスクを最小化したデプロイが可能です。

費用面では、プロジェクトの規模と要件に応じた適切な予算設定と、複数社からの比較検討が重要です。開発会社の選定においては、価格だけでなく、Laravelの開発実績、チームの技術力、コミュニケーション能力、アフターサポートの充実度を総合的に評価することをお勧めします。Laravel開発は適切なパートナーと進めることで、質の高いシステムをコスト効率よく構築できます。ぜひ本記事を参考に、最適な開発パートナーを見つけてください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。

 

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