システムリプレイスでおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

システムリプレイスを検討しているものの、「どの会社に頼めばいいのか分からない」「失敗したときのリスクが怖い」と感じている担当者の方は少なくありません。数千万円から場合によっては数億円規模になるプロジェクトで、パートナー選びを誤れば業務停止や予算超過といった深刻な事態を招くリスクがあります。それだけに、最初のベンダー選定こそが成否の分かれ目といっても過言ではありません。

本記事では、システムリプレイスの依頼先として実績を持つ会社を6社ご紹介するとともに、自社に合ったパートナーを選ぶための評価基準や、ベンダー選定「後」のプロジェクトコントロール術まで詳しく解説します。発注前に確認すべきポイントを押さえ、後悔のないパートナー選定にお役立てください。

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システムリプレイスのパートナー選びの重要性

システムリプレイスのパートナー選びの重要性

システムリプレイスは、新しいシステムを導入して終わりではありません。要件定義から設計・開発・データ移行・テスト・本番切り替え・運用定着まで、数か月〜2年以上にわたる長期プロジェクトです。この全工程を共に伴走するパートナーが適切かどうかは、プロジェクトの成否に直結します。ガートナーの調査によれば、ERPをはじめとする大規模システム導入プロジェクトの約75%が、進行中に何らかの失敗を経験しているとされています。こうした現実を踏まえると、会社選びを「価格の安さ」だけで判断することの危険性がよく分かります。

適切なパートナー選定が成否を分ける理由

システムリプレイスが失敗する代表的な原因の一つが、「ベンダー任せ」の状態に陥ることです。プロジェクトの主体はあくまで発注側の自社であり、ベンダーはその目標達成を支援するパートナーです。しかし、実際の現場では「要件定義を丸投げしてしまい、完成したシステムが現場の業務に合わない」という事態が後を絶ちません。こうしたミスマッチを防ぐためには、自社の業務課題を深く理解し、課題解決にフォーカスした提案ができるパートナーを選ぶことが不可欠です。

また、プロジェクトが進むにつれて「仕様外です」「追加費用が発生します」と言われるケースも多く見受けられます。こうした追加費用の発生を最小限に抑えるためには、契約形態(請負契約か準委任契約か)の選択や、スコープの明確化を入念に行えるベンダーであることが重要な評価基準となります。最初の選定段階でこれらを確認しておくことで、プロジェクト後半での「言った・言わない」のトラブルを大幅に減らすことができます。

発注前に確認すべきポイント

複数社に声をかける前に、まず自社の「発注準備」を整えることが重要です。システムリプレイスの目的(老朽化対応なのか、DX推進なのか)、現行システムの課題と業務要件の概要、おおよその予算規模とスケジュール感、この3点を整理しておくだけで、ベンダーから受け取る提案の質が大きく変わります。準備が不十分な状態で複数社から見積もりを取っても、金額の根拠が比較しにくく、「なぜA社はB社より2倍高いのか」が判断できません。

また、選定にあたっては「提案内容の質」だけでなく「プレゼンしてきた担当者が、実際にプロジェクトを担当するのか」を必ず確認してください。提案時に登場した優秀なシニアコンサルタントが、契約後はほとんど関与せず、経験の浅い担当者だけになるというケースは珍しくありません。実際にアサインされるPM(プロジェクトマネージャー)の経歴や同業種での実績を事前にヒアリングすることが、後悔のないベンダー選定の第一歩です。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

株式会社riplaの特徴と強み

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

riplaの最大の特徴は、「IT事業会社として自社のDXを推進してきた当事者目線」にあります。外部のシステム会社として開発だけを請け負うのではなく、自社でシステムを導入・運用してきたからこそ分かる「現場の定着」「経営への成果報告」「変化への対応力」を、クライアントへの支援に直接活かすことができます。単に要件通りのシステムを納品するのではなく、「このシステムで業務がどう変わるのか」「どうすれば現場に定着するのか」という視点で伴走する姿勢が、他社との大きな差別化ポイントです。

また、コンサルティングフェーズから開発・導入後の定着支援まで、ワンチームで対応できる体制を整えています。「コンサル会社に上流だけ任せて、開発は別の会社に発注する」という分断が起きないため、要件定義と実装の乖離が発生しにくく、追加費用や手戻りのリスクを最小化できます。

得意領域・実績

riplaが特に強みを持つ領域は、中堅・成長企業の業務基幹システム刷新です。営業管理・顧客管理(CRM)・販売管理・生産管理など、複数の業務システムが乱立している状況を整理し、業務フローの見直しとシステム統合を合わせて推進する支援実績があります。「既存のExcel管理から脱却したい」「部門ごとにバラバラのシステムを一元化したい」といった課題を抱える企業に、業務改革の提案から実装まで一貫して対応できます。

システムリプレイス後の定着支援にも力を入れており、「新システムを入れたが現場が使ってくれない」という失敗を防ぐためのチェンジマネジメント支援も提供しています。ビジネス成果にコミットするパートナーを探している企業は、まずriplaに相談することをおすすめします。

アクセンチュア|大規模レガシーシステム刷新の国内最大手

アクセンチュアの特徴と強み

アクセンチュアは、世界120カ国以上でコンサルティング・テクノロジー・アウトソーシングサービスを展開するグローバルファームです。日本国内においては、大規模なレガシーシステムのモダナイゼーション(近代化)に特に強みを持ち、金融・製造・公共・流通など幅広い業種での基幹システム刷新実績を誇ります。COBOLやPL/Iで書かれた数千万ステップ規模の旧システムをオープン環境に移行するプロジェクトでも豊富な実績があり、国内では他に類を見ないノウハウを蓄積しています。

特徴と強み

アクセンチュアの強みは、経営戦略の立案から始まり、業務プロセス改革(BPR)、システムの要件定義・設計・実装、そして導入後の運用保守まで、一気通貫でサービスを提供できる総合力にあります。特にレガシーシステム刷新の専任組織「AMO(Application Modernization & Optimization)」を持ち、旧来の基幹システムをDXと組み合わせて近代化する「Mod2DX」ソリューションで差別化しています。レガシー言語のマイグレーション自動化ツールも独自開発しており、大規模プロジェクトの工期短縮と品質確保を両立できる点が高く評価されています。

グローバルのナレッジベースを持つため、海外に拠点を持つ企業のグローバル統合案件や、国際標準ERPの導入・カスタマイズにも強みがあります。「Fit to Standard(標準機能への業務適合)」の考え方を積極的に推進しており、過剰なカスタマイズによるコスト膨張を防ぐ提案を得意としています。

得意領域・実績

代表的な実績として、JFEスチールの西日本製鉄所(倉敷地区)における大規模基幹システム刷新があります。富士通製メインフレームで動いていた約5,000万ステップの基幹システムをオープン環境へ完全移行するというプロジェクトで、4年5か月という短工期での完遂を実現しました。製造業や重工業のような複雑な生産管理システムを持つ企業の大規模リプレイスにおいて、特に高い実績を持ちます。金融機関の勘定系システムのモダナイゼーション支援でも実績が豊富で、メガバンクから地方銀行・信用組合まで幅広く対応しています。

ただし、アクセンチュアのサービスは基本的に大企業・中堅企業向けの大規模案件が主軸であるため、中小企業の比較的小規模なシステムリプレイスには向かない場合があります。予算規模や組織規模に応じて、最適なパートナーを選ぶことが重要です。

NTTデータ|金融・公共・製造など幅広い業種で圧倒的な実績

NTTデータの特徴と強み

NTTデータは、NTTグループのシステムインテグレーション事業を担う日本最大規模のSIerであり、国内ITサービス市場でトップクラスのシェアを占めています。金融系・公共系システムの構築を中心に発展してきた企業で、特に大規模・ミッションクリティカルなシステムの刷新案件において圧倒的な実績と信頼性を誇ります。グローバルにも50カ国以上で事業を展開しており、海外拠点を持つ企業のグローバルシステム統合にも対応できます。

特徴と強み

NTTデータの最大の強みは、長年にわたる大規模システム運用・開発の経験から蓄積された「プロジェクトマネジメント力」にあります。数百人規模のプロジェクトチームを統率し、複数年にわたる大型案件を完遂してきた実績は、国内でも随一です。また、業種別に特化した事業部制を採用しており、金融・製造・流通・公共・医療など各分野に深い知見を持つ専門家集団が、業務課題の本質的な解決策を提案できます。

クラウド移行支援においても、自社のデータセンターインフラと、AWS・Azure・Google Cloudなどのパブリッククラウドをハイブリッドに活用するソリューションを持ちます。オンプレミスからクラウドへの段階的な移行を安全に進めたい場合に、特に頼りになるパートナーです。また、24時間365日の保守運用体制を整えており、基幹システムの停止が許されないミッションクリティカルな環境でも高い信頼性を発揮します。

得意領域・実績

NTTデータが特に得意とする領域は、金融機関の勘定系・情報系システムのリプレイス、官公庁・自治体の基幹業務システム刷新、そして製造業・流通業の基幹ERPリプレイスです。メガバンクや地方銀行の勘定系システム開発・維持管理において国内最多クラスの実績を持ち、「絶対に止められないシステム」の刷新に最も信頼のおける会社の一つです。

また、intra-martをはじめとした統合プラットフォームを活用した全社DX推進、ERP導入(SAP・Oracle)と基幹システムリプレイスの組み合わせ案件にも豊富な実績があります。大規模プロジェクトになるほど真価を発揮するため、従業員500名以上の中堅・大企業や、業務停止リスクが高いミッションクリティカルなシステムのリプレイスを検討している場合は、有力な候補となります。

野村総合研究所(NRI)|コンサルとシステム開発を融合した高付加価値支援

野村総合研究所(NRI)の特徴と強み

野村総合研究所(NRI)は、シンクタンク機能とシステムインテグレーション機能を併せ持つ独立系の総合ITサービス企業です。経営コンサルティングからシステムの設計・構築・運用保守まで一貫して対応できる体制が大きな特徴で、特に証券・銀行・保険・資産運用といった金融ITソリューション分野では国内トップクラスの実績と信頼を持ちます。「コンサル会社に経営戦略を作ってもらっても、IT化の段階でギャップが生まれる」という典型的な課題を解消できる企業として、高く評価されています。

特徴と強み

NRIの強みは、業界標準プラットフォームと独自ソリューションを軸にした「高信頼性・高可用性」のシステム提供力にあります。証券・銀行・保険・流通業界向けに構築した業界共通プラットフォームは、個社でゼロから開発するよりも低コスト・短期間での導入を可能にします。また、コンサルタント出身のSEが多く在籍しており、「業務をどう変えるか」という視点と「それをどうシステムで実現するか」という視点を同じチームが担うため、要件定義の質が高く、後工程での手戻りが少ないことが特長です。

加えて、長期にわたる保守運用体制の充実度も高く評価されています。システムリプレイスは導入して終わりではなく、その後の運用・保守・改善のサイクルが業務定着の鍵を握ります。NRIは導入後も継続的に改善提案を行う体制を整えており、「作って終わり」にならないパートナーシップを重視しています。

得意領域・実績

NRIが特に得意とする領域は、証券・銀行・保険・資産運用といった金融業界のコアシステム刷新です。主要証券会社の売買管理システム、銀行の外国為替・資金決済システム、保険会社の契約管理システムなど、金融インフラを支える基幹システムのリプレイスにおいて国内屈指の実績を持ちます。また、流通業(小売・卸売)向けの販売管理・在庫管理システムのリプレイスや、製造業向けのサプライチェーン管理システムの刷新案件にも対応実績があります。

NRIは親会社である野村グループの影響を受けない独立系であるため、特定のメーカー製品に偏らない中立的な立場から最適なシステムアーキテクチャを提案できることも強みの一つです。ERPパッケージ(SAP、Oracle、Workdayなど)の選定・導入から、スクラッチ開発まで、企業の要件に応じた最適解を提案します。

BIPROGY(旧日本ユニシス)|ハイブリッドシステム移行に特化した独自知見

BIPROGYの特徴と強み

BIPROGY(ビプロジー)は、旧日本ユニシスが2022年に社名変更した独立系の総合ITサービス企業です。「Foresight in sight.」というビジョンのもと、基幹システムのモダナイゼーションとデジタルビジネスの創造を事業の両輪に据えています。旧日本ユニシス時代から積み上げてきた基幹システム開発・運用のノウハウを持ち、特にオンプレミスからクラウドへの段階的な移行(ハイブリッドクラウド移行)を支援するソリューション「HybriSH」は、システムリプレイスの現場で高い評価を受けています。

特徴と強み

BIPROGYの大きな強みは、基幹システムの更改(リプレイス)に特化した豊富な方法論とツール群にあります。「基幹システムをいきなりクラウドに全移行するのはリスクが高い」「段階的にモダナイゼーションを進めたい」というニーズに応えるHybriSHソリューションは、オンプレミス環境とクラウド環境を最適な割合でハイブリッドに運用しながら、計画的にクラウドシフトを進めることを可能にします。業務を停止させることなく安全に移行を進められる点が、製造業・流通業・金融業など幅広い業種から支持されています。

また、BIPROGYは「システムリプレイスの適切な時期」の判断を支援するアセスメントサービスも提供しています。現行システムの技術的な老朽度・ビジネスリスク・移行コストを総合的に評価し、「今すぐリプレイスすべきか、段階的な改修で延命できるか」を客観的に診断できるため、「まだリプレイスするタイミングか分からない」という段階の企業にも相談しやすい窓口があります。

得意領域・実績

BIPROGYが特に得意とする業種は、金融(銀行・保険・証券)・流通・製造・エネルギーです。銀行のコアシステム「BANKSTAR」の開発・維持管理における実績は国内でも高い評価を受けており、地域金融機関の基幹系システム刷新において強みを発揮します。また、流通業向けには販売管理・物流管理・在庫管理を統合するシステムリプレイス支援の実績が豊富で、複数拠点を持つ企業のシステム統合案件でも安定した品質を提供しています。

自動運転やMaaSなど次世代領域への事業展開も進めており、ITサービスの幅広さも魅力です。既存のオンプレミス基幹システムをクラウドへ段階移行させながら、将来の新規事業に対応するシステムアーキテクチャを構築したいという企業にとって、中長期的なパートナーとして信頼できる選択肢です。

TIS|クラウドファーストで基幹システムをSaaS化・モダナイズ

TISの特徴と強み

TIS株式会社は、TISインテックグループのコアカンパニーとして、金融・製造・流通・サービス業など幅広い業種に対してシステム開発・運用サービスを提供するSIerです。近年はクラウドファーストを標榜し、基幹システムのクラウド移行・SaaS化支援に積極的に投資しており、旧来のオンプレミス基幹システムをクラウドネイティブなアーキテクチャへと刷新するプロジェクトにおいて実績を積んでいます。クレジット会社向けのコアシステムをSaaSとして提供する事業でも知られており、業界共通プラットフォームの発想でコスト効率の高いシステムリプレイスを実現します。

特徴と強み

TISの強みは、AWS・Azure・Google Cloudといったパブリッククラウドと自社のマネージドサービスを組み合わせた、総合的なクラウド移行支援能力にあります。特に「既存のオンプレミス基幹システムを、業務停止リスクを最小化しながらクラウドへ段階移行させたい」というニーズに応えるノウハウが豊富で、移行設計・実施・運用まで一貫して対応できます。また、アジャイル開発の導入支援にも力を入れており、ウォーターフォール型の開発体制からよりスピーディーな開発サイクルへの移行を目指す企業にも適しています。

グループ全体でのエンジニア数は1万人を超えており、大規模プロジェクトでの人員確保も安定しています。セキュリティやコンプライアンス対応の観点からも、金融機関や上場企業が求める高いガバナンス基準に対応したシステム開発・運用体制を整えています。

得意領域・実績

TISが特に得意とする領域は、金融(クレジット・ペイメント・銀行・保険)・製造・流通・サービス業の基幹システムクラウド移行です。クレジット会社向けのカード管理・決済処理システムをSaaS型で提供する「PAYCIERGE」の開発・運用実績は国内最大規模で、JCBをはじめとした主要クレジット会社への導入実績があります。また、製造業向けの生産管理・在庫管理・販売管理システムの統合リプレイスや、流通業向けのオムニチャネル対応システムの構築・移行にも実績があります。

「システムをクラウドに移行することで、ランニングコストをどれだけ削減できるか」という財務的な観点での試算・提案も得意としており、経営層を説得するための費用対効果の資料作りをサポートする能力も持ち合わせています。オンプレミス基幹システムのクラウド移行コストと維持コストの比較試算から始めたいという企業にとって、入口の相談窓口として活用しやすいパートナーです。

システムリプレイスのパートナー選びのポイント

システムリプレイスのパートナー選びのポイント

優れた開発会社であっても、自社の課題・規模・予算に合っていなければ良いパートナーとは言えません。ここでは、後悔のないベンダー選定を実現するための5つの評価基準と、見落としがちな契約・交渉上の重要ポイントを解説します。

PM(プロジェクトマネージャー)の質と体制を確認する

システムリプレイスの成否は、担当PMの質に大きく依存します。優秀なPMは、スケジュール管理・リスク管理・ステークホルダーマネジメントをバランスよく行いながら、発注側と受注側の「橋渡し役」として機能します。提案依頼の段階では、「実際にプロジェクトを担当するPMのプロフィールと、同業種・同規模のリプレイス案件での具体的な実績を教えてください」と明示的に求めることを強くおすすめします。

確認すべきポイントとして、担当PMが同業種のシステムリプレイスを3件以上完遂しているか、プロジェクト中のコミュニケーション頻度(週次定例会議の有無・議事録管理・進捗報告の形式)の方針が明確かどうか、そして問題が発生した場合のエスカレーション体制が整っているかが挙げられます。PMの質を事前にしっかりと確認しておくことで、プロジェクト後半の「なんで聞いてなかったのか」という事態を防ぐことができます。

Fit to Standardの提案力を見極める

「Fit to Standard(フィット・トゥ・スタンダード)」とは、パッケージシステムの標準機能に業務プロセスを合わせるという考え方です。「現行業務のやり方を変えたくない」という発注側の意向に応えて過度なカスタマイズを行うと、費用が当初予算の2〜3倍に膨らんだり、パッケージのバージョンアップのたびに追加費用が発生し続けたりという事態を招きます。実際にある製造業では、標準パッケージに対して70%ものカスタマイズを行った結果、費用が当初の2.5倍に膨張したという事例があります。

良いパートナーは、「この業務フローは標準機能で対応できます。このプロセスだけはカスタマイズが必要ですが、その理由は〇〇です」という具体的なFit & Gapの分析を提案フェーズで示せます。逆に、発注側の言い値に従うだけで「全部カスタマイズで対応します」という提案をする会社は、後工程でのコスト膨張リスクが高いと考えてよいでしょう。

契約形態(請負 vs 準委任)の選択ポイント

システムリプレイスの契約形態には、大きく分けて「請負契約」と「準委任契約」の2種類があります。請負契約は、あらかじめ決めた成果物の完成に対して報酬を支払う形式で、スコープと費用が固定されるため発注側のコスト管理がしやすい反面、要件変更が困難でスコープ外の対応は追加費用となります。準委任契約は、エンジニアの稼働時間に対して報酬を支払う形式で、要件の変更や追加に柔軟に対応できる反面、費用が青天井になるリスクがあります。

実務的には、要件が明確な開発フェーズは請負、要件が変化しやすい要件定義・コンサルティングフェーズは準委任、というように組み合わせるのが一般的です。重要なのは、どちらの契約形態を選ぶにせよ、スコープの定義を可能な限り明確にすることです。「仕様外」のトラブルを防ぐために、RFP(提案依頼書)の段階でシステムの機能要件・非機能要件・データ移行範囲・テスト範囲を詳細に記述することを怠らないようにしてください。

ベンダー選定「後」のプロジェクトコントロール術

ベンダー選定後のプロジェクトコントロール術

ベンダーを選定した後は、そのパートナーシップを「主体的にコントロールする」ことが発注側の最大の仕事になります。良いベンダーを選んだとしても、発注側が受け身になってしまうと、プロジェクトはベンダー主導で進み、気づいたときには遅延・予算超過・品質低下というトリプルパンチを招きかねません。ここでは、発注側が実践すべき具体的なコントロール術を解説します。

定例会議の仕切り方と遅延の早期発見

週次の定例会議を「形式的な報告会」に終わらせないことが、プロジェクトの遅延を早期に発見するための鍵です。効果的な定例会議では、前回のアクションアイテムの確認・今週の進捗(予定 vs 実績)・来週の予定・課題と懸案事項の共有、という4つのアジェンダを必ず設けることをおすすめします。議事録はベンダー任せにせず、発注側も必ず確認し、合意事項と未解決課題を書面で残す習慣をつけることが重要です。

遅延の初期サインとして、「細かいタスクの遅れが積み重なっている」「要件確認の回答が遅くなっている」「担当者の顔色がよくない」といった小さな変化に気づくことが大切です。ベンダーが遅延を認めるのは往々にして遅く、実際には数週間前から兆候が出ています。発注側のプロジェクト担当者は、スケジュール管理ツール(WBSやガントチャート)を自ら確認し、マイルストーンに対する進捗率を毎週数値で把握する体制を整えましょう。

「仕様外です」と言われた際の交渉ノウハウ

プロジェクト途中で「この機能は当初のスコープ外なので追加費用が必要です」とベンダーから告げられることは珍しくありません。こうした局面で発注側が取れる対応は、大きく3つあります。まず、「仕様外」と言われた機能が、最初のRFPや提案書・基本設計書のどこかに記載がないかを確認することです。曖昧な表現で記載されていた場合でも、「合理的な解釈としてスコープ内と言える根拠」を書面で示すことで、交渉余地が生まれます。

次に、追加費用の根拠となる工数見積もりを詳細に提示させることです。「追加で100万円かかります」と言われたとしても、その内訳(何人が何時間かけるのか)が不明では妥当性を判断できません。工数の内訳を書面で提示するよう求め、各タスクの単価・工数の妥当性を自社でも確認する姿勢が重要です。そして最後に、こうしたトラブルを最小化するために、要件定義フェーズで「スコープ確定書」を作成し、双方が署名した上で開発フェーズに進む運用を取り入れることが、長期的には最も効果的な対策となります。

まとめ

システムリプレイスおすすめ会社まとめ

本記事では、システムリプレイスのパートナーとしておすすめの6社と、後悔しないベンダー選定のポイントを詳しく解説しました。紹介した6社の特徴をあらためて整理すると、riplaはコンサルから開発・定着支援まで一気通貫で対応できる中堅・成長企業に最適なパートナーです。アクセンチュアは大規模レガシーシステムのモダナイゼーションを短工期で実現する国内最大手のコンサルファームです。NTTデータは金融・公共・製造など幅広い業種で圧倒的な実績を持つ日本最大級のSIerです。野村総合研究所(NRI)はコンサルとSIを一体で提供し、特に金融ITで国内トップクラスの実績を誇ります。BIPROGYはハイブリッドクラウド移行の独自ソリューション「HybriSH」で段階的な移行を安全に支援します。TISはクラウドファーストで基幹システムのSaaS化・クラウド移行を得意とする準大手SIerです。

重要なのは、「名前が知られているから安心」ではなく、自社の規模・業種・予算・スケジュールに合ったパートナーを選ぶことです。提案段階でPMの質を確認すること、Fit to Standardの考え方を持つベンダーを選ぶこと、契約形態(請負 vs 準委任)を理解した上でスコープを明確にすること、この3点を必ず実践してください。また、ベンダーを選んだ後も「発注側が主体的にプロジェクトをコントロールする」姿勢を持ち続けることが、システムリプレイス成功の最大の鍵となります。

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株式会社riplaでは、IT事業会社出身のプロフェッショナルが「Impact-Driven型支援」を通じて、プロダクトやシステムの納品・提供を目的とせず、お客様と同じ目線で、事業成果の達成をゴールとして、高品質なDX/開発支援をいたします。

また「Boxシリーズ」による、受発注管理・在庫管理・配送管理・業務システム・生成AI・SaaS・マッチングサイト・EC・アプリ・LINEミニアプリなどの標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」を活用することで、低コスト・短期間でのスクラッチ開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。

 

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