「HUE導入」を検討して製品一覧を探し始めたものの、提供元とされる会社の公式サイトを開いても該当する人事システムが見当たらず、比較検討そのものが止まってしまう担当者は少なくありません。HUE導入のパッケージ・クラウド製品一覧を作るうえでは、2019年の会社分割により人事給与領域の後継製品がCOMPANY(株式会社Works Human Intelligence)になったという経緯を踏まえたうえで、COMPANYを含む大手・上場企業向け統合HRシステムを比較候補として整理することが出発点になります。
本記事では、パッケージ型とクラウド型の違いを整理したうえで、2026年7月時点で現行の公式情報を確認できたCOMPANYを含む5製品を紹介します。各製品の対象領域・対象規模・料金体系の確認状況、選定軸、契約前に確認すべきことまで解説しますので、HUE導入という言葉の経緯を踏まえたうえで候補製品を比較する際の基準としてご活用ください。人事部門だけでなく、情報システム部門や経営企画部門が同席する選定会議でも、このまま比較資料の土台として使える構成にしています。
本テーマに関する全体ガイドは、以下の記事をご覧ください。
▼全体ガイドの記事
・HUE導入の完全ガイド
「HUE導入」で比較すべき現行製品の整理

製品一覧を作る前に、まず「HUE」という名前が指す対象を確定させておく必要があります。ここを曖昧にしたまま比較を進めると、古い情報のまま提供終了済みの体制で製品を探し続けることになりかねません。
2014年発表のHUEと2019年の会社分割という経緯
HUEは2014年に発表されたAI型ERPブランドで、当時は人事給与機能も含んでいました。しかし2019年8月の会社分割により、人事給与領域はWorks Human Intelligence社へ承継され、現在は「COMPANY」ブランドで提供されています。「HUE」という名称自体は、会計・SCMを中心とした非HR領域で株式会社ワークスアプリケーションズの商標として現在も使われていますが、人事給与システムとしての新規導入を検討する場合の対象は「COMPANY」になります。経緯の詳細は、HUE導入とは?考え方・特徴・仕組み・目的を解説で解説しています。
本記事で扱う製品範囲
本記事では、旧HUEが人事文脈で想定していた「大手・上場企業向け統合HRシステム・タレントマネジメントシステム」という切り口で、COMPANYを含む現行の公式ページを確認できた製品を紹介します。会計・SCM領域の現行HUE(株式会社ワークスアプリケーションズ)は対象領域が異なるため、本記事の比較対象には含めていません。会計・SCM文脈での検討が必要な場合は、同社の公式サイトを直接確認することをおすすめします。掲載した5製品はいずれも、公式サイトまたは公式の製品ページへの直接アクセスで現行提供を確認できたものに限定しており、比較サイトの記載のみを根拠にした製品は含めていません。
COMPANY(株式会社Works Human Intelligence)

COMPANYは、旧HUEの人事給与領域を承継したWorks Human Intelligence社の主力製品です。2026年7月時点の公式サイトでは、人事管理・給与計算・勤怠管理・タレントマネジメント・雇用手続管理・ID管理・マイナンバー管理という7ソリューション構成に加え、公共・公益法人向けの専用ラインも案内されています。
対象領域と対象規模
公式サイトでは、従業員数の多い大手法人を主な対象とする趣旨が案内されており、複数のグループ会社を横断した人事情報の一元化を実現した企業の事例も紹介されています。単一法人・比較的シンプルな給与体系の企業よりも、複数法人にまたがる複雑な給与規定や大規模な組織階層を持つ企業に適した設計になっています。
料金体系の確認状況
2026年7月時点の公式サイトには、利用機能の変更や法改正対応を含めて「ずっと定額の運用費用」という料金の考え方が掲載されていますが、具体的な金額の記載はなく、個別見積もりが基本です。契約前には、この定額の範囲にどこまでのサポート・改修が含まれるかを個別に確認することをおすすめします。
見積もり依頼時は「HUE」ではなく「COMPANY」と明示します
Works Human Intelligence社への問い合わせや、販売パートナー経由での見積もり依頼を行う際は、「HUE」という旧名称ではなく「COMPANY」と明記したほうが、資料や商談の行き違いを防げます。社内向けの比較表に旧名称を残す場合も、現行製品名を併記しておくと、後から資料を見返す担当者が混乱しません。
Workday HCM(Workday, Inc.)

Workday HCMは、米国Workday社が提供するクラウド型の人的資本管理システムです。2026年7月時点の日本語公式サイトでは、人事管理・タレント管理・給与計算・ワークフォース管理・分析やレポート機能・スキル管理(Skills Cloud)という構成が案内されています。
対象領域と対象規模
公式サイトでは「世界で1万社以上、6,000万人が利用」という導入実績が案内されており、グローバル展開する大手企業を主な対象としています。海外拠点を含むグループ経営を行う企業にとって、多言語・多通貨対応を含めたグローバル人事基盤としての比較対象になり得ます。中小企業向けの別カテゴリも用意されています。
料金体系の確認状況
2026年7月時点の公式サイトには具体的な料金の記載はなく、問い合わせフォーム経由での個別見積もりとなります。国内の給与計算・法改正対応をどこまで標準機能でカバーできるかは、COMPANY等の国内特化製品と条件をそろえて確認しておく必要があります。
日本国内特有の制度対応を個別に確認します
グローバル製品であるWorkday HCMを検討する場合、日本の年末調整、社会保険料計算、住民税の特別徴収といった国内特有の制度に、標準機能またはローカライズ機能でどこまで対応できるかを個別に確認する必要があります。海外本社の意向でグローバル統一の人事基盤を検討している企業ほど、国内子会社の実務担当者を交えた早期のFit&Gap確認が重要になります。
カオナビ(株式会社カオナビ)

カオナビは、株式会社カオナビが提供するタレントマネジメントシステムです。2026年7月時点の公式サイトでは、人事評価、人材情報の一元化、勤怠管理、労務管理、スキル管理・育成、人材配置、エンゲージメント向上、離職防止・分析という幅広い機能が案内されています。
対象領域と対象規模
公式サイトでは、小規模から大規模(Enterprise Edition)まで複数プランに対応し、利用企業数4,500社超(2026年7月時点の公式サイト記載、2025年9月末時点の数値)という実績が案内されています。COMPANYやWorkday HCMのような給与計算を中核とした統合HRシステムというより、人材情報の可視化と評価・配置に重点を置いたタレントマネジメント領域の選択肢として位置づけられます。導入事例として大手製造業や自治体・教育機関なども公式サイトで紹介されており、企業規模を問わず人材データ活用のニーズがある組織で候補になりやすい製品です。
料金体系の確認状況
2026年7月時点の公式料金ページを確認しましたが、具体的な金額の記載はなく、必要な機能と利用人数を選んで見積もりを依頼する仕組みになっています。登録人数によって月額費用が変動する旨がFAQに案内されているため、自社の対象人数を明確にしたうえで見積もりを取得することをおすすめします。
給与計算基盤との役割分担を確認します
カオナビは人材情報の可視化・評価・配置に強みを持つ一方、複雑な給与計算ロジックそのものを主軸とした製品ではありません。COMPANYのような統合HRシステムと役割が重なる部分・重ならない部分を整理し、給与計算基盤は別製品のまま人材データ活用だけをカオナビに任せるのか、統合HRシステム側のタレントマネジメント機能で代替するのかを、比較の早い段階で決めておくと選定がスムーズになります。
SmartHR(株式会社SmartHR)

SmartHRは、株式会社SmartHRが提供するバックオフィス向け統合システムです。2026年7月時点の公式サイトでは、労務管理、給与計算、勤怠管理、タレントマネジメント機能、従業員データベースといった構成が案内されています。
対象領域と対象規模
公式サイトでは登録社数80,000社超という実績が案内されており、中小企業から大企業まで幅広い規模での採用が訴求されています。COMPANYが前提とする複数法人・複雑な給与規定への対応力については、自社の要件と照らして個別に確認する必要があります。
料金体系の確認状況
2026年7月時点の公式サイトでは「選びやすい料金プラン」と料金シミュレーターの存在が案内されていますが、本記事の確認時点で具体的な金額までは直接確認できませんでした。契約前には料金ページまたは問い合わせ窓口で最新のプラン内容を確認することをおすすめします。
労務手続きの電子化との相性を確認します
SmartHRは入退社手続きや年末調整といった労務手続きの電子化に強みを持つ製品として知られています。複数法人・大規模組織を前提とした給与計算の網羅性という観点では、COMPANYのような大手向け統合HRシステムと単純比較しづらい面があるため、自社が優先したいのが手続きの電子化なのか、給与計算を含む基幹業務の統合なのかを整理したうえで比較対象に加えるかどうかを判断してください。
OBIC7人事・給与・就業情報ソリューション(株式会社オービック)

OBIC7は、株式会社オービックが提供する統合業務ソフトウェアです。2026年7月時点の公式サイトでは、人事・給与・就業領域として「OBIC7人事情報ソリューション」「OBIC7給与情報ソリューション」「OBIC7就業情報ソリューション」という3製品が案内されています。
対象領域と対象規模
公式サイトでは、多数の特許技術を搭載した統合ソリューションとして、会計システムや社員支払システムなど他のOBIC7製品との連携が訴求されています。対象企業規模の明記はありませんでしたが、会計・人事給与を含む幅広い業務ソフトウェアを長年提供してきた実績を持つ国産ベンダーとして、比較対象になりやすい製品です。
料金体系の確認状況
2026年7月時点の公式サイトには具体的な料金の記載がなく、モジュール構成の詳細とあわせて個別の問い合わせが必要です。会計システムなど他のOBIC7製品とあわせて導入する場合の連携範囲・費用感も、見積もり依頼時にまとめて確認しておくと比較がしやすくなります。
既存の会計基盤との連携範囲を確認します
すでに自社でOBIC7の会計・販売系ソリューションを利用している企業にとっては、人事・給与領域も同一ベンダーでそろえることで、社員マスタや部門コードといったマスタデータを重複管理せずに済むメリットが期待できます。反対に会計基盤が他社製品である場合は、人事・給与領域だけをOBIC7に切り替えるメリットとデータ連携の手間を比較したうえで検討する必要があります。連携範囲の見極めには、情報システム部門を交えた技術的な確認が欠かせません。
導入前に確認しておきたいポイント

候補製品を絞り込んだ後も、契約前に確認しておくべき共通の論点があります。公開されている情報だけで判断せず、各社に同じ条件で問い合わせることが比較の精度を高めます。
見積もり条件をそろえて比較します
本記事で紹介した5製品のいずれも、公式サイト上に具体的な金額の記載はなく、個別見積もりが基本です。想定利用人数、対象モジュール、法改正対応の範囲、データ移行の有無といった条件を各社にそろえて提示し、同じ前提での見積もりを取得することで、初めて費用の比較が意味を持ちます。見積もり依頼の際は、営業担当者の説明だけでなく、契約書やサービス仕様書に定額の範囲やサポート内容が明記されているかもあわせて確認してください。料金だけでなく評価軸全体の考え方は、HUE導入の選定ポイント・選び方・種類で解説しています。
製品名・提供会社が最新かを確認します
HUEのように、会社分割やブランド統合によって製品名・提供会社が変わるケースは他社にも起こり得ます。過去の比較資料やRFPをそのまま使い回さず、契約前に各社の公式サイトで現行の製品名・提供会社・対象領域を再確認してください。本記事の内容も2026年7月時点の確認に基づくものであるため、実際の契約時にはあらためて最新情報を確認することをおすすめします。
自社の組織規模と複雑性を先に整理します
製品一覧を見比べる前に、自社の従業員規模、法人数、給与規定や就業規則の複雑さを棚卸ししておくと、5製品のうちどれを重点的に比較すべきかが絞り込みやすくなります。単一法人でシンプルな給与体系であればSmartHRやカオナビのような製品が有力候補になり、複数法人にまたがる複雑な給与規定や大規模な組織階層を抱えている場合はCOMPANYやWorkday HCMのような大手向け統合HRシステムが優先候補になります。会計基盤との連携を重視するのであれば、OBIC7のように同一ベンダーで会計・人事給与をそろえられる製品も検討に値します。
まとめ

HUE導入のパッケージ・クラウド製品一覧は、2019年の会社分割により人事給与領域がCOMPANY(Works Human Intelligence社)に引き継がれたという経緯を踏まえたうえで、COMPANY、Workday HCM、カオナビ、SmartHR、OBIC7人事・給与・就業情報ソリューションという5製品を軸に比較することが現実的な出発点になります。いずれも公式サイト上に具体的な料金は掲載されておらず、自社の条件をそろえたうえで個別見積もりを取得することが比較の前提です。
製品一覧を眺めるだけでは、標準機能の限界や自社データとの相性は見えません。候補を2〜3製品に絞り込んだ後は、実データを使ったPoCと並行稼働テストを通じて、自社の給与規定・組織階層が標準機能でどこまで吸収できるかを確認する工程が欠かせません。既製のパッケージ・クラウド製品では吸収しきれない独自の承認フローや基幹システム連携が必要な場合、riplaはフルスクラッチ開発の立場から、製品選定後の連携要件整理や個別開発まで支援しています。
▼全体ガイドの記事
・HUE導入の完全ガイド
株式会社riplaでは、IT事業会社出身のプロフェッショナルが「Impact-Driven型支援」を通じて、プロダクトやシステムの納品・提供を目的とせず、お客様と同じ目線で、事業成果の達成をゴールとして、高品質なDX/開発支援をいたします。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
