基幹システム/ERP更改でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

基幹システムやERPの更改は、企業にとって数年に一度の大規模プロジェクトです。現行システムの老朽化、SAP ECC 6.0のサポート終了(2027年12月)、クラウド移行の加速など、更改を迫られる理由は年々増しています。しかし、「どの会社に依頼すべきか分からない」「ベンダー選びに失敗して費用が膨らんだ」という声は後を絶ちません。パートナー選定の失敗は、プロジェクトの長期化や追加コスト発生につながるため、慎重な選択が求められます。

本記事では、基幹システム・ERP更改を依頼できるおすすめ会社6社を実績・専門性・提案力の観点から厳選して紹介します。さらに、失敗しないベンダー選定の実践テクニックやベンダーロックインを防ぐ契約の注意点まで、発注担当者が知っておくべき情報を網羅しています。この記事を読めば、自社の更改プロジェクトに最適なパートナーを見つけるための判断軸が明確になります。

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・基幹システム/ERP更改の完全ガイド

基幹システム/ERP更改を依頼できる会社の種類と選び方

基幹システムERP更改を依頼できる会社の種類と選び方

基幹システムやERP更改の支援を行う会社には、大手SIer、専門コンサルファーム、ERPベンダー系パートナーなど複数の種類があります。それぞれ得意とする領域や強みが異なるため、自社の更改目的や課題に合ったパートナーを選ぶことが成功への第一歩です。ここでは、SIerの分類と自社課題タイプ別の選び方を解説します。

ERP更改に強いSIerの分類(SAP系/Oracle系/国産ERP系/クラウドERP特化)

ERP更改を支援する会社は、得意とするERPプロダクトによって大きく4つに分類できます。まず「SAP系」のSIerは、SAP S/4HANAやSAP ERP(旧SAP R/3)の導入・更改を主力とし、製造業・商社・流通業などの大企業案件を多く手がけています。NTTデータ、SCSK、アクセンチュアなどがこのカテゴリの代表格で、SAP認定コンサルタントを多数抱え、グローバル展開にも対応できる体制が整っています。

「Oracle系」のSIerは、Oracle E-Business Suite(EBS)やOracle Cloud ERP(旧Oracle Fusion Cloud)を得意とするパートナーです。財務会計・人事・調達の標準化を重視するプロジェクトで強みを発揮します。「国産ERP系」では、オービックビジネスコンサルタントのOBIC7、大塚商会のSMILE、NTTデータのBiz∫などを扱うパートナーが中堅企業向けの更改案件を多く担います。そして「クラウドERP特化」の会社は、NetSuite、Workday、Microsoft Dynamics 365などSaaS型ERPの導入に特化しており、スピーディな更改とランニングコストの最適化を重視する企業に適しています。

自社の課題タイプ別|最適なパートナーの選び方

自社の更改目的が「グローバル展開への対応」であれば、多国籍プロジェクトの実績を持つ大手SIerやコンサルファームを選ぶべきです。SAP S/4HANAのグローバルテンプレートを持つアクセンチュアやNTTデータは、複数拠点への同時展開を得意としています。一方、「業務プロセスの標準化・Fit to Standard推進」が目的なら、カスタマイズを最小化する提案力に定評のあるPwCコンサルティングや電通総研が適しています。

「コスト重視・中堅企業向け」の更改であれば、国産ERP系や中堅企業向けの支援実績が豊富な会社を選ぶことで、無駄なコストを抑えられます。また、「スクラッチ開発や個別カスタマイズが必要」な場合には、コンサルから開発まで一気通貫で対応できるSI企業が最適です。パートナー選びで最も重要なのは「自社の課題を正確に言語化する」ことであり、RFP(提案依頼書)の作成前に社内の要件を整理しておくことが、最良のパートナーを見つける近道となります。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

株式会社riplaの基幹システムERP更改支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

riplaの最大の特徴は、「事業側の視点でシステムを設計する」アプローチにあります。多くのSIerがシステム要件を起点に設計を進めるのに対し、riplaはビジネス成果・KPIを起点とした要件定義を得意としており、「作って終わり」ではなく「使われるシステムを作る」ことを重視しています。IT事業会社として自社のDXを推進してきた実践経験があるため、経営層と現場の双方が納得する仕様設計が可能です。

また、コンサルティングフェーズから開発・保守まで同一チームが担当する一気通貫体制により、フェーズをまたぐ情報の断絶が発生しにくい点も強みです。要件定義で議論した内容が設計・開発まで正確に引き継がれるため、手戻りや認識ずれによる追加費用が発生しにくい構造になっています。

得意領域・実績

riplaは、営業管理・顧客管理(CRM)・生産管理・販売管理・在庫管理といった幅広い基幹業務領域の構築・導入実績を持っています。既存システムからの移行プロジェクトでは、データ移行計画の策定から並行稼働、カットオーバー後の定着支援まで包括的に支援します。

特に「業務要件が複雑で既製ERPでは対応しきれない」「パッケージとスクラッチの組み合わせで最適解を探したい」という企業に対して、柔軟な提案を行える点が評価されています。大手SIerでは断られがちな中規模・複雑案件や、スピーディな意思決定が求められるプロジェクトにおいて、機動力の高さが強みとなっています。

SCSK株式会社|30年超のSAP導入実績と400社以上の豊富な経験

SCSKの基幹システムERP更改支援

SCSK株式会社は、日本で最初にSAPプロジェクトに参画した1993年から30年以上にわたり400社超への導入実績を誇る、日本屈指のSAP専門SIerです。住友商事グループの一員として、商社・製造業を中心に幅広い業種の基幹システム更改を手がけており、グローバル9拠点・38か国200拠点以上での展開実績も持ちます。

特徴と強み

SCSKの最大の特徴は、30年以上のSAP導入ノウハウを体系化した「Add-Valueシリーズ」と呼ばれる独自の導入テンプレートにあります。商社向けテンプレートや組立製造業向けテンプレートを活用することで、標準的な実装期間を大幅に短縮できます。また、SAP ECC 6.0からSAP S/4HANAへの移行を支援する専用サービスを提供しており、2027年12月のサポート終了を見据えたマイグレーション案件に豊富な実績を持ちます。

グローバル展開においては、海外拠点への一括展開や段階的展開の両方に対応できる体制が整っており、グローバル共通テンプレートを活用したシステム統一化が可能です。また、SAP認定コンサルタントが多数在籍しており、財務会計・管理会計・販売・調達・製造・人事など各モジュールに精通した専門家を揃えています。

得意領域・実績

SCSKは商社・流通・製造業を中心に、SAP S/4HANAの新規導入および旧バージョンからの移行案件を多数手がけています。特に、SAP ECC 6.0ユーザーが2027年のサポート終了前に更改を実施する際の移行支援では、リスクを最小化するアプローチと豊富なノウハウが評価されています。

また、グローバルに展開する日系企業のシステム統合プロジェクトにも強みを持ち、海外現地法人も含めた一元管理体制の構築を実現した実績があります。導入後の保守・運用まで一貫して対応できる体制も整っており、「導入して終わり」ではなく長期的なパートナーシップを重視する企業に選ばれています。

アクセンチュア株式会社|グローバルトップクラスのSAPパートナー

アクセンチュアのERP基幹システム更改支援

アクセンチュア株式会社は、約40年にわたるSAP導入の経験を持ち、グローバルで7万5,000人以上のSAPコンサルタントを擁する世界最大級のSAPパートナーです。SAP Global Awardsを40以上獲得しており、「Best Service Partner Award」を7年連続で受賞するなど、世界トップクラスの評価を受けています。カルビーや日東電工、花王など、国内大手企業の基幹システム刷新プロジェクトを多数手がけてきた実績があります。

特徴と強み

アクセンチュアの強みは、戦略・業務・テクノロジー・アウトソーシングを一体で提供できるフルサービス体制にあります。ERP更改においても、業務改革(BPR)の設計から始まり、SAP S/4HANAの実装、データ移行、トレーニング、カットオーバー後の定着支援まで、一気通貫で対応できます。また、生成AI・IoT・ビッグデータとのERP連携においても最先端の知見を持ち、単なるシステム置き換えではなくDXを伴う変革型の更改プロジェクトに強みを発揮します。

グローバル案件への対応力も際立っており、SAP S/4HANAのグローバルテンプレートを活用した多国籍展開や、海外子会社との統合プロジェクトの実績は業界屈指です。ただし、大規模案件を主戦場とするため、プロジェクト規模によっては費用が高額になる点は考慮が必要です。

得意領域・実績

アクセンチュアの代表的な基幹システム更改実績としては、カルビーのSAP HANA導入による基幹システム刷新(わずか1年3カ月でのトランスフォーメーション実現)、日東電工の45年以上稼働していたホストコンピューターからSAP S/4HANAへの刷新、花王のグローバルSAPシステムのAzure統合などが挙げられます。いずれも業界の枠を超えた変革型プロジェクトであり、単純なバージョンアップではなく抜本的な業務改革を伴う更改を得意としています。

食品・消費財・化学・製造など多様な業種における実績を持ち、業種特有の業務プロセスに精通したコンサルタントが在籍している点も選定理由の一つです。グローバルネットワークを活かした海外ベストプラクティスの導入提案も強みとなっています。

株式会社NTTデータ|SAP・国産ERPを軸に53か国以上でグローバル展開

NTTデータのERP基幹システム更改支援

株式会社NTTデータは、NTTグループのIT中核企業として、SAP S/4HANAを筆頭に自社開発の国産ERP「Biz∫」まで幅広いERPソリューションを提供しています。53か国以上・16,000名超のSAP有識者を擁するグローバル体制を持ち、SAP導入の企画立案から構築・保守まで一気通貫でサポートできる規模感が際立っています。国内では官公庁・金融・製造・通信など多様な業種での基幹システム更改実績を誇ります。

特徴と強み

NTTデータの特徴は、SAPと自社開発国産ERP「Biz∫」の両方を主力製品として持つ点にあります。SAPが最適な場合はSAP S/4HANAを、コスト面や業務特性からパッケージERPが適する場合はBiz∫を提案するという、製品中立的な姿勢でプロジェクトを進められます。Biz∫は1,600社以上に採用されている大企業向け国産ERPであり、日本固有の商習慣(電子帳簿保存法対応、消費税計算の複雑なルールなど)への対応が充実している点が評価されています。

また、NTTデータは独自の有価証券報告書データによると平均年収923万円と業界水準を上回る高い待遇を維持しており、優秀なエンジニア・コンサルタントの確保・定着に努めています。大規模プロジェクトの安定的な推進力と、グローバルネットワークを活かしたワンストップ支援が強みです。

得意領域・実績

NTTデータは製造・商社・流通・金融・公共など幅広い業種で基幹システム更改の実績を持ちます。SAP S/4HANAへのリホスト・リプレイスはもちろん、レガシーシステムからクラウドERP(SAP S/4HANA Cloud、Biz∫)への全面移行も支援します。特に国内大企業・上場企業の中核システムを担うプロジェクトにおいて、高い信頼性と安定性が求められる案件に強みがあります。

グローバルでは、日系企業が海外拠点に展開する際のSAP S/4HANAグローバルテンプレート構築や、M&Aに伴うシステム統合(PMI)にも対応実績があります。SAP関連の受賞・評価実績も多数あり、SAP自体から高い評価を受けているパートナーです。

PwCコンサルティング合同会社|Fit to Standard推進と業務変革に強みを持つ専門コンサルファーム

PwCコンサルティングのERP基幹システム更改支援

PwCコンサルティング合同会社は、PwC Japanグループのコンサルティング部門として、戦略策定から業務設計・システム導入・定着化まで一貫した支援を提供しています。エンタープライズソリューション部門には500名以上の専門家が在籍し、SAP・Oracle・Workdayなど主要ERPへの豊富な知識と業種横断の業務プロセス改善ノウハウを持ちます。東京ガスグループのSAP S/4HANA Cloud導入支援など、大規模更改プロジェクトを計画通りに完遂した実績が評価されています。

特徴と強み

PwCコンサルティングが最も評価されている点は、「Fit to Standard」を基本方針としたERP更改の提案力にあります。これは、ERPパッケージの標準機能に業務プロセスを合わせることで、カスタマイズを最小化し、将来のアップグレードや保守コストを大幅に削減するアプローチです。多くの企業が「現状業務をそのままERPに実装したい」という発想に陥りがちですが、PwCは「業務の何を変えるべきか」を経営レベルで議論することから支援を始めます。

また、チェンジマネジメント(組織・人材・プロセス変革の管理)に強みを持つ点も特徴です。ERP更改の失敗原因の多くは技術的な問題ではなく、社内の変革抵抗や合意形成の失敗にあります。PwCはシステム導入と並行して組織変革を推進する専門チームを持ち、「システムが稼働しても使われない」という最悪の事態を防ぐ支援を行っています。

得意領域・実績

PwCコンサルティングは、エネルギー・製造・消費財・金融など多様な業種でのSAP S/4HANA導入・更改実績を持ちます。東京ガスグループへのSAP S/4HANA Cloud導入では、要件定義から稼働開始まで計画通りの2年で完了し、経理・資材・物流業務の標準化と業務スリム化を実現しました。生産領域へのERP導入においても、製造プロセスの可視化と在庫最適化に貢献した実績があります。

大規模プロジェクトのPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)支援においても豊富な実績があり、複数ベンダーが関与する複合案件の取りまとめ役として機能できる点は、多くのSIerが持たない独自の強みといえます。

電通総研株式会社|商社・流通に精通した20年超のSAP専門SIer

電通総研のERP基幹システム更改支援

電通総研株式会社(旧・株式会社電通国際情報サービス)は、20年以上にわたりSAP ERPの導入・更改を手がけてきた専門SIerです。特に商社業界へのSAP導入実績が9割以上を占めるほど深い業種特化の知見を持ち、貿易・輸出入・プロジェクト管理など商社特有の複雑な業務プロセスを熟知したコンサルタントが在籍しています。SAP S/4HANA Cloud Private Editionへの移行支援にも実績があり、Oracle Fusion Cloud ERPの導入も手がけています。

特徴と強み

電通総研の最大の特徴は「業種特化の深さ」にあります。商社業界向けのSAP導入では、単純なERPパッケージ導入ではなく、その業種の業務慣行や商流に合わせた設計ができるため、「うちの業務はERPで実現できない」という難題を解決してきた実績が豊富です。また、SAP S/4HANA Cloud Private Editionへの移行においても、既存カスタマイズの整理・標準化を含む移行設計を行い、クラウド移行後の運用安定化までを支援します。

データ活用の観点からも強みを持っており、SAPのデータをBIツールや分析基盤と連携させる「SAPデータ利活用」の提案も積極的に行っています。ERPを単なる業務システムとして使うのではなく、経営データの可視化と意思決定支援に活かす構想を描ける点が、高度なニーズを持つ企業から評価されています。

得意領域・実績

電通総研は商社を中心に、SAP ERP・SAP S/4HANAの導入・更改・バージョンアップの実績を多数持ちます。SAP S/4HANA Cloud Private Editionへの移行においては、既存ERPからのデータ移行設計・テスト・本番稼働支援まで一貫して対応しており、移行後の安定稼働にも実績があります。また、Oracle Fusion Cloud ERPを活用した総勘定元帳の二重管理解消や業務負担軽減の事例も保有しており、SAPとOracle双方への対応力を持つ点も強みです。

SAPデータの利活用支援においては、SAPとBIツールを連携させた経営ダッシュボードの構築や、データウェアハウス(DWH)との統合設計にも実績があり、更改後のデータ活用まで視野に入れた一貫した支援が可能です。

失敗しないベンダー選定の実践テクニック

ベンダー選定の実践テクニック

基幹システム・ERP更改のベンダー選定では、「実績が多い会社=自社に合う会社」とは限りません。大手SIerへの依頼がプロジェクトの成功を保証するわけでもなく、自社の課題・文化・予算規模に合ったパートナーを選ぶことが最も重要です。ここでは、発注担当者が現場で実践できる具体的なベンダー選定テクニックを解説します。

Fit to Standard提案力の評価方法

ERP更改プロジェクトが失敗する最大の原因のひとつが「過剰なカスタマイズ」です。現行業務をそのままERPに移植しようとすることで、標準機能から外れた複雑なアドオン開発が積み重なり、コストが膨らみ、将来のアップグレードが困難になります。Fit to Standardとは、ERPの標準機能に業務を合わせる発想であり、真に優秀なSIerはこのアプローチを強く推奨します。

提案依頼(RFP)の段階でFit to Standard提案力を評価するには、「標準機能で実現できない業務要件をリストアップし、どう対応するか提案してほしい」という質問を各ベンダーに投げかけることが有効です。優秀なSIerは「この業務はアドオンではなく業務フローの見直しで解決できる」という提案を返してきます。逆に、すべての要件に「開発で対応します」と答えるベンダーは要注意です。過剰開発を推奨するSIerは、短期的な売上を優先して長期的なメンテナンスコストをクライアントに押し付ける傾向があります。

RFPにおける予算提示の駆け引き術

RFPに予算を明示すべきかどうかは、発注担当者が最も迷うポイントのひとつです。結論からいうと、予算をRFPに記載しない方が、より実態に即した見積もりを引き出せるケースが多いです。予算を先に提示すると、ベンダーは提示額の90〜100%に近い見積もりを出す傾向があります。予算内に収めようとするあまり、スコープが意図せず削られたり、実現可能性の低い前提が盛り込まれたりするリスクがあります。

一方で、予算を完全に非開示にすると、複数のベンダーから規模感の異なる見積もりが来て比較できなくなるという問題も生じます。理想的なRFPの書き方は、「予算帯(例:2億〜3億円程度を想定)は示すが、それが上限ではない」という書き方です。また、見積もりを受け取った後に「この金額で何が削られているか」「追加費用が発生しやすいリスク項目はどこか」を確認することが、後からのコスト増を防ぐ重要なチェックポイントになります。

スコアリング評価+定性評価の併用法

ベンダー選定では、提案書の内容を点数化するスコアリング評価(定量評価)と、担当PMの対応力・企業文化との相性を見る定性評価を組み合わせることが重要です。スコアリング評価では、技術力・実績・価格・プロジェクト管理体制・サポート体制などの項目に重み付けをして点数化します。しかし、数字だけで決めてはいけない理由があります。ERP更改は最短でも1〜2年以上かかる長期プロジェクトであり、担当PMとの相性・コミュニケーション品質・問題発生時の対応姿勢が、プロジェクトの成否に直結するからです。

定性評価においては、プレゼンテーションを担当したコンサルタントが実際のプロジェクトにアサインされるかどうかを必ず確認してください。大手SIerでは、優秀な提案担当者がプレゼンのみ担当し、実際の作業は経験の浅いスタッフが行うという「看板と実態の乖離」が発生することがあります。契約前に「担当PMと担当コンサルタントを確定し、変更する際は事前承認を求める」旨を契約書に盛り込むことをお勧めします。

ベンダーロックインを防ぐ契約時の注意点

ベンダーロックインを防ぐ契約の注意点

基幹システム・ERP更改後の最大のリスクのひとつが「ベンダーロックイン」です。特定のベンダーへの依存度が高くなりすぎると、保守・運用費用が割高になっても乗り換えられない状況に陥ります。ここでは、契約段階でベンダーロックインを防ぐための具体的な方法を解説します。

データ所有権・SLA・契約形態の取り決め

まず最も重要なのが「データ所有権」の明確化です。クラウドERPを利用する場合、システム内に蓄積されたデータが発注者(自社)に帰属することを契約書に明記しなければなりません。契約書に「データの所有権はサービス提供者に帰属する」または「データのエクスポートには追加費用が発生する」といった条項が含まれていないかを必ず確認してください。データは企業の資産であり、ベンダーが変わっても引き継げる形式(標準的なCSVやAPIでのエクスポート対応)で提供されることを条件にすべきです。

SLA(サービスレベルアグリーメント)においては、システム稼働率(例:99.9%以上)・障害発生時の復旧時間目標(RTO)・復旧ポイント目標(RPO)・ヘルプデスクの対応時間と対応水準を具体的な数値で合意しておくことが必要です。また、契約形態については、準委任契約(SES)・請負契約・保守契約のそれぞれのリスクと責任範囲を理解した上で、プロジェクトの性質に合った契約形態を選択してください。大規模な更改プロジェクトでは、フェーズごとに契約を見直す「フェーズドコントラクト」方式を採用することで、後から発生するスコープ変更リスクを管理しやすくなります。

脱ベンダーロックインの具体的ステップ

ベンダーロックインからの脱却を目指すには、まずカスタマイズの棚卸しから始めることをお勧めします。現行システムにどれだけの独自カスタマイズが存在するかを把握することで、標準機能への移行可否と移行コストが見えてきます。カスタマイズが多いほどベンダー依存度は高く、乗り換えコストも増大するため、更改プロジェクトの際に「標準機能で代替できるカスタマイズ」を積極的に廃止する判断が重要です。

次に、社内にシステム知識を持つ人材を育成・確保することがベンダーロックイン防止の根本策となります。システムの仕様書・設計書・テストケースを自社資産として保管し、特定ベンダーのみが持つブラックボックスをなくすことが、将来の乗り換え自由度を高めます。さらに、保守契約の更新時期に定期的に複数ベンダーから見積もりを取ることで、市場価格との乖離がないかをチェックする習慣を持つことも、コスト最適化とベンダー依存脱却に有効な手段です。

まとめ

基幹システムERP更改おすすめ会社まとめ

本記事では、基幹システム・ERP更改を依頼できるおすすめ会社6社と、失敗しないベンダー選定の実践テクニックをお伝えしました。紹介した6社の特徴を改めて整理すると、以下のようになります。株式会社riplaはコンサルから開発まで一気通貫で対応し、事業成果にこだわった支援が特徴です。SCSK株式会社は30年超のSAP実績と400社以上の豊富な導入経験を持ちます。アクセンチュア株式会社はグローバルトップクラスのSAPパートナーとして大規模変革型プロジェクトを得意とします。株式会社NTTデータはSAPと国産ERPの両方を持つ規模感と安定性が強みです。PwCコンサルティング合同会社はFit to Standardの推進と業務変革への深い知見が評価されています。電通総研株式会社は商社業界を中心とした業種特化の深いSAP知識が際立ちます。

基幹システム・ERP更改の成否は、パートナー選定の質に大きく左右されます。大手だから安心、実績が多いから正解、という思い込みは禁物です。自社の更改目的・課題・予算・プロジェクト規模に合ったパートナーを、今回お伝えしたベンダー評価の軸で選んでください。Fit to Standard提案力・RFP戦略・スコアリング評価・ベンダーロックイン防止の契約術を活用することで、プロジェクトの成功率を大幅に高めることができます。まずは複数社に声をかけ、提案内容と担当コンサルタントの質を比較することからはじめてみてください。

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株式会社riplaでは、IT事業会社出身のプロフェッショナルが「Impact-Driven型支援」を通じて、プロダクトやシステムの納品・提供を目的とせず、お客様と同じ目線で、事業成果の達成をゴールとして、高品質なDX/開発支援をいたします。

また「Boxシリーズ」による、受発注管理・在庫管理・配送管理・業務システム・生成AI・SaaS・マッチングサイト・EC・アプリ・LINEミニアプリなどの標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」を活用することで、低コスト・短期間でのスクラッチ開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。

 

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