アプリリニューアルのパッケージ/クラウド製品一覧

アプリリニューアルを検討すると、UI/UXデザインとプロトタイピングに強いツール、ユーザビリティ検証に特化したツール、行動データやA/Bテストの結果を分析するツールなど、性質の異なるクラウドサービスが数多く見つかります。「アプリリニューアル向けツール」とひとくくりにされがちですが、実際にはアプリそのものを作り直す開発基盤ではなく、UI/UXの設計・検証・効果測定を支える周辺ツールが中心であり、目的を混同すると比較が難しくなります。

本記事では、2026年7月時点で現行の公式情報を確認できた、アプリリニューアルの検討・実行を支える主要7ツールを紹介します。各ツールの得意領域、課題別の絞り方、料金体系、無料トライアルやPoCで確認すべきポイントまで解説しますので、候補ツールを比較する際の基準としてご活用ください。

本テーマに関する全体ガイドは、以下の記事をご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・アプリリニューアルの完全ガイド

アプリリニューアルを支えるツールの位置づけ

アプリリニューアルを支えるツールの位置づけを整理する担当者

ここで紹介するのは、アプリそのものを開発するローコード/ノーコード基盤や、クラウド移行基盤、CI/CD・ストア対応ツールとは異なり、UI/UXデザインの設計、ユーザビリティ検証、効果測定という、リニューアルの意思決定と検証を支える周辺ツールです。

アプリを作り直す開発基盤とは異なります

アプリリニューアルという言葉から、ノーコードでアプリを作り直せるプラットフォームを連想する方もいますが、そうした開発基盤は「アプリ刷新」や「アプリケーションのモダナイゼーション」といった関連テーマで扱われる領域です。本記事で紹介するツールは、既存アプリの技術基盤を前提に、UI/UXデザインの設計・検証・効果測定を支援するものに絞っています。

5つのカテゴリに分けて整理します

具体的には、UI/UXデザイン・プロトタイピング、デザインシステム管理、ユーザビリティ検証、A/Bテスト・実験、行動分析・プロダクト分析という5つのカテゴリに整理できます。自社が抱える課題がどのカテゴリに当てはまるかを先に見極めると、比較すべきツールを絞り込みやすくなります。

ツールを比較するときの共通軸

アプリリニューアルツールの比較項目を整理する会議

各ツールの紹介ページの機能一覧だけでは、自社の検討フェーズに合うか判断できません。候補を同じ条件で比べるため、対応領域、既存ツールとの連携、料金体系、データの扱いを共通の質問に置き換えることが重要です。

対応領域と既存ツールとの連携を確認します

デザインツールであれば、ワイヤーフレームから高忠実度プロトタイプ、開発者への引き渡しまでをどこまでカバーするかを確認します。ユーザビリティ検証・分析ツールであれば、Figmaなど既存のデザインツールや、社内で使っているBIツールとの連携有無を確認します。「連携できる」という説明だけでなく、具体的にどのデータをどの頻度で連携できるかまで確認することが大切です。

データの扱いと料金体系を確認します

ユーザーの行動データやテスト参加者の個人情報を扱うツールでは、データの保管場所、権限管理、契約終了時のデータ削除条件を確認します。料金は、シート数、イベント数、セッション数、参加者数など課金の単位がツールによって異なるため、自社の想定利用規模を伝えたうえで、無料プランの範囲と有料プランへの移行条件を具体的に確認する必要があります。自社課題の整理から発注先選定までの詳しい評価軸は、アプリリニューアルの選定ポイント・選び方・種類で解説しています。

アプリリニューアルに関わる主要クラウドツール7選

アプリリニューアルに関わる主要クラウドツールを検討する様子

ここでは、2026年7月時点で現行の公式ページと料金体系を確認できた7ツールを紹介します。掲載順は優劣を示すランキングではありません。カテゴリごとに得意領域が異なるため、自社の課題と利用規模をそろえて比較することが重要です。

Figma

Figmaは、UI/UXデザインとプロトタイピングを一つの画面で行えるコラボレーション型のデザインツールです。複数人が同時に編集できるため、デザイナーと開発者、企画担当者が同じ画面を見ながら意見をすり合わせやすい点が特徴です。2026年7月時点の公式サイトには、無料のStarterプランに加え、Professionalは月額$16(フルシート)、Organizationは月額$55(フルシート、年払いのみ)という料金が掲載されていますが、為替や契約条件によって実際の請求額は変わるため、最新の金額は契約前に必ず公式サイトで確認してください。

zeroheight

zeroheightは、Figmaなどで作成したデザインコンポーネントのルールをドキュメント化し、社内外に配信・運用するデザインシステム管理ツールです。リニューアル後にデザインシステムを一貫して運用したい企業では、コンポーネントの利用状況を可視化する機能が、改修の優先順位付けに役立ちます。料金は公式サイトで具体的な金額が確認できなかったため、無料トライアルやデモを通じて自社の利用規模に応じた見積もりを取得することをおすすめします。

Maze

Mazeは、プロトタイプに対するユーザビリティテスト、モデレーテッド・インタビュー、サーベイなどをオンラインで実施できるリサーチプラットフォームです。600万人以上の参加者パネルにアクセスできるため、社内に十分なユーザーリソースがない企業でも、短期間でプロトタイプの評価を得やすい点が特徴です。料金は公式サイトで具体的な金額が確認できなかったため、想定するテスト回数や参加者数を伝えたうえで見積もりを依頼してください。

UserTesting

UserTestingは、700万人以上の認証済み参加者から、アプリやプロトタイプへのフィードバックを収集できるユーザビリティテストプラットフォームです。デザイン・UXリサーチ・プロダクト開発など複数の職種向けに機能が整理されており、Figmaとの連携やAI駆動の分析機能も提供しています。料金は公式サイトで具体的な金額が確認できなかったため、対象チームと利用規模を伝えて見積もりを依頼する必要があります。

Optimizely

Optimizelyは、リニューアル後のUIが実際に成果へつながっているかを検証するA/Bテスト・実験(エクスペリメンテーション)プラットフォームです。新旧デザインを一部のユーザーにだけ配信して比較するといった使い方ができ、感覚的な判断ではなく実測データをもとにリニューアル効果を確認できます。料金は公式サイトで具体的な金額が確認できなかったため、想定するトラフィック量と実施したい施策数を伝えて見積もりを依頼してください。

Amplitude

Amplitudeは、ユーザーの行動データをもとにDAU/MAU、継続率、コンバージョンなどを分析できるプロダクト分析ツールです。セッションリプレイやヒートマップ機能も備えており、リニューアル後にどの画面でユーザーが離脱しているかを具体的に追跡できます。2026年7月時点の公式サイトには、月間200万イベントまでクレジットカード登録なしで無期限に利用できるFreeプランが掲載されており、それ以上の利用は従量課金となります。実際の利用イベント数は自社のアクセス規模で大きく変わるため、事前に見込みを立てて確認してください。

Contentsquare(旧Hotjar)

Contentsquareは、ヒートマップやセッションレコーディングで知られていたHotjarが統合された行動分析プラットフォームです。公式サイトには「HotjarはContentsquareの一部になりました」と明記されており、現在は単独ブランドとしてではなく、統合後のプラットフォームとして提供されています。2026年7月時点の公式サイトには、月間200,000セッションまで利用できるFreeプランに、ヒートマップ、セッションリプレイ、月100件までのサーベイ回答が含まれるという条件が掲載されています。旧サービス名で検索して申し込む場合は、契約主体や機能範囲が変わっている可能性があるため、現行のプラン内容を必ず確認してください。

自社の課題別に候補を絞る方法

自社課題からアプリリニューアルツール候補を絞るチーム

7ツールを一斉に細部まで比較するより、最も大きな課題を一つ決め、必須要件で候補を減らす方が効率的です。デザインの作り直し、デザインルールの維持、ユーザビリティの検証、効果の実測では、適したツールのカテゴリが異なります。

デザインの作り直しとルール維持を重視する場合

画面デザインそのものを作り直したい場合はFigmaを中心に検討し、複数のプロダクトやチームでデザインルールを一貫させたい場合はzeroheightを組み合わせます。ブランドガイドラインを策定したばかりの企業では、まずFigma上でコンポーネントを整備し、運用が回り始めてからzeroheightのようなドキュメント管理ツールを検討する順序でも問題ありません。

検証と効果測定を重視する場合

リニューアル前に候補デザインの使い勝手を確認したい場合はMazeやUserTestingを、リリース後に実際の成果を確認したい場合はOptimizelyによるA/Bテストや、Amplitude・Contentsquare(旧Hotjar)による行動分析を検討します。社内にユーザーリサーチの専任者がいない企業では、参加者パネルを持つMazeやUserTestingを使うと、短期間で外部の視点を取り入れやすくなります。

料金・契約前に確認すべきこと

アプリリニューアルツールの料金と契約条件を確認する担当者

公開されている無料プランだけで判断すると、利用規模が拡大した際に想定外の費用が生じることがあります。料金表に載る月額費用だけでなく、シート追加、イベント量の増加、サポート範囲まで含めて確認します。

何に対して課金されるかを確認します

デザインツールはシート数、分析ツールはイベント数やセッション数、リサーチツールは参加者数やテスト回数など、課金単位はツールごとに異なります。現在の利用規模だけでなく、リニューアル後にアクセスが増えた場合の想定規模も伝え、無料プランで賄える範囲と、有料プランへ移行する条件を具体的に確認します。

データの扱いと解約条件を確認します

ユーザーの行動データやテスト参加者の個人情報を扱うツールでは、データの保存期間、権限管理、契約終了後のデータ削除・エクスポート条件を契約前に確認します。特に、旧サービスから統合・移行した経緯があるツールでは、移行前のデータやアカウント情報がどう引き継がれるかも確認しておくと安心です。

無料プランで試用している段階から、有料化した場合の概算費用を試算しておくことも重要です。イベント数やセッション数は、リニューアル後にアプリの利用が活性化するほど増える性質があるため、成功した場合の費用感まで含めて社内の予算感と照らし合わせておくと、本番導入時に慌てずに済みます。

無料トライアルとPoCで最終候補を絞る

アプリリニューアルツールの無料トライアルとPoCを実施するチーム

資料比較で2〜3ツールまで絞ったら、実際のプロトタイプやアプリを使って無料トライアルやPoCを行います。デザイナーだけでなく、開発者やマーケティング担当者にも参加してもらうと、導入後の使い勝手を判断しやすくなります。

実際のプロトタイプでトライアルします

サンプルデータではなく、自社が実際にリニューアルを検討している画面のプロトタイプやデザインファイルを使ってトライアルすることで、実務で使えるかどうかを具体的に判断できます。ユーザビリティ検証ツールであれば、実際の想定ユーザーに近い参加者を条件に指定できるかも確認します。

導入前後の数値を比較できる状態を作ります

分析ツールやA/Bテストツールを導入する場合は、トライアル期間中に既存アプリの現状データを取得し、リニューアル後の数値と比較できる状態を整えておきます。無料プランの範囲内でどこまでのデータが取得できるかを確認し、必要であれば有料プランへの移行タイミングをあらかじめ検討しておくとスムーズです。

アプリリニューアルツール選びで確認しておきたいポイント

アプリリニューアルツール選びに関する質問を確認する担当者

ツールを選ぶ際は、無料プランの範囲だけでなく、自社の利用規模やチーム構成に合っているかまで確認します。比較表の機能欄だけでは見えにくい条件を事前に検証することで、導入後に運用が回らなくなるリスクを抑えられます。

小規模チームでも導入価値はあります

デザイナーが少人数、あるいは兼任の場合でも、Figmaのような無料プランがあるツールから始めれば、初期費用を抑えて導入できます。ユーザビリティ検証や行動分析についても、無料プランの範囲で試してから本格導入を判断する進め方が現実的です。

複数ツールの組み合わせが前提になることが多いです

1つのツールですべてを完結させようとすると、機能不足を感じやすくなります。デザイン、検証、効果測定はそれぞれ性質が異なるため、複数ツールを組み合わせる前提で、どのツールがどのデータを持つ「正」になるかを整理しておくことが大切です。

ツールの選定担当者と、実際に日々の運用を担う担当者が異なる場合は、選定段階から運用担当者に操作感を確認してもらうことをおすすめします。選定時には便利に見えた機能が、日常運用では使われないまま契約だけが残ってしまう事態を避けやすくなります。定期的な棚卸しを行い、使われていないツールや重複した機能がないかを見直す運用も、リニューアル後の投資対効果を保つうえで役立ちます。

まとめ

アプリリニューアルツール選定方針をまとめるチーム

アプリリニューアルの検討では、アプリを作り直す開発基盤を無理に探すより、UI/UXデザイン・プロトタイピング、デザインシステム管理、ユーザビリティ検証、A/Bテスト・実験、行動分析・プロダクト分析という周辺ツールを、自社の課題と検討フェーズに合わせて組み合わせることが現実的です。今回紹介した7ツールにも、デザイン設計、検証、効果測定など、異なる特徴があります。

課題診断からツールの組み合わせへ

デザインの作り直し、デザインルールの維持、使い勝手の検証、効果の実測のうち、最優先課題を決めます。そのうえで対応領域、連携、料金体系、データの扱いを同じ質問で比較すれば、知名度に左右されず自社に合う組み合わせを選べます。

最後は実際のプロトタイプでのトライアルで確認します

資料上の機能数ではなく、自社が実際に検討している画面やデータで試せるかどうかが重要です。周辺ツールだけでは、既存システムとの連携や独自のブランド体験を作り込みきれない場合もあります。riplaはフルスクラッチ開発の立場から、ツール選定で見えてきた要件をもとに、UI/UXの再設計から既存システムとの連携までを含めたアプリリニューアルを支援しています。

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・アプリリニューアルの完全ガイド

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。

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