MOTION BOARD導入の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

データ活用が企業競争力の源泉となった現代、経営判断をリアルタイムで支えるBIダッシュボードツールへの注目が急速に高まっています。そのなかでも、ウイングアーク1st株式会社が提供する「MOTION BOARD(モーションボード)」は、累計3,900社以上の導入実績を誇り、国内BIダッシュボード市場でトップシェアを獲得しているプロダクトです。製造業から金融、流通、サービス業まで幅広い業種で採用されており、IoTデータのリアルタイム連携からレポート自動化まで、多彩な活用シーンで成果を上げています。

しかし、いざMOTION BOARDを導入しようとすると、「どのような手順で進めればよいのか」「クラウド版とオンプレミス版のどちらを選ぶべきか」「費用はどのくらいかかるのか」といった疑問が次々と浮かぶことでしょう。本記事では、MOTION BOARD導入の全体像から具体的な進め方、費用相場、見積もりを取る際のポイントまでを体系的に解説します。導入を検討している担当者の方はもちろん、社内にDX推進を提言したい方にとっても、プロジェクトの設計図として活用できる内容です。

本テーマに関する全体ガイドは、以下の記事をご覧ください。

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・MOTION BOARD導入の完全ガイド

MOTION BOARDの全体像

MOTION BOARDの全体像

MOTION BOARDはBIダッシュボードツールとして、企業内に散在するさまざまなデータを集約・可視化し、経営判断や現場改善を支援するプラットフォームです。単なるグラフ描画ツールではなく、データ収集・加工・分析・共有を一体的に行える点が大きな特徴です。導入前に製品の特性と適用範囲を正しく理解しておくことが、プロジェクト成功の第一歩となります。

MOTION BOARDの主要機能と特徴

MOTION BOARDが多くの企業に選ばれる最大の理由は、60種類以上のデータソースへのコネクタを標準で備えている点にあります。主要なRDBMS(MySQL、Oracle、SQL Serverなど)からクラウドサービス(Salesforce、kintone、Google Analytics)、CSV・Excelファイル、さらにはIoTデバイスからのセンサーデータまで、幅広いデータを取り込むことができます。取り込んだデータはドラッグアンドドロップによる直感的な操作でダッシュボードに配置でき、プログラミングの知識がないユーザー部門の担当者でもボードの作成や変更が可能です。

また、MOTION BOARDはリアルタイムデータ表示に強みを持ちます。REST/MQTT通信を活用してIoTデバイスからのデータをミリ秒単位で受け取り、製造ラインの稼働状況や設備温度をリアルタイムにモニタリングすることができます。旭川信用金庫では相続管理システムを内製化することで年間約3,000時間の営業店事務を削減し、スシローでは全547店舗の30億件にのぼるデータを分析基盤として活用した事例が報告されています。このような実績が、累計3,900社以上という導入社数につながっています。

クラウド版とオンプレミス版の違い

MOTION BOARDには大きく「クラウド版(MotionBoard Cloud)」と「オンプレミス版」の2つの提供形態があり、自社の環境やセキュリティポリシーに合わせて選択します。クラウド版はウイングアーク1stが管理するサーバー上でシステムが稼働するため、自社でのサーバー調達や構築作業が不要で、最短数日から数週間という短期間での稼働開始が可能です。HTTPS通信で利用できるため、ネットワーク設定の大幅な変更を行わなくて済む点もメリットです。一方でデータを社外サーバーに置くことになるため、機密性の高いデータを扱う企業では社内セキュリティポリシーとの整合性確認が必要になります。

オンプレミス版は自社データセンターや社内サーバーにMotionBoardをインストールして運用する形態です。データが自社環境の外に出ないため、金融機関や医療機関など厳格なセキュリティ要件を持つ業種でも採用しやすく、既存の社内システムとの密結合な連携も実現しやすいのが特徴です。ただし、サーバーの調達・設置・設定・保守といった作業が必要となり、導入期間は通常3か月から6か月程度、大規模なシステムでは1年以上かかることもあります。なお、クラウド版のみで利用できる一部の機能(MBクラウド録画、特定のクラウドサービス連携など)はオンプレミス版では利用できない場合があるため、必要な機能を事前に確認することが重要です。

MOTION BOARD導入の進め方

MOTION BOARD導入の進め方

MOTION BOARDの導入プロジェクトは、大きく「要件定義・企画フェーズ」「設計・開発フェーズ」「テスト・リリースフェーズ」の3段階で進めるのが一般的です。各フェーズで必要なアクションと成果物を把握しておくことで、プロジェクト全体をスムーズにコントロールできます。

要件定義・企画フェーズ

要件定義・企画フェーズでは、まず「何のためにMOTION BOARDを導入するのか」という目的を明確にするところから始めます。売上データを経営会議で即座に確認できるようにしたいのか、製造ラインの稼働率をリアルタイムで監視したいのか、あるいは各部署に散らばるExcelレポートの作成工数を削減したいのか、目的によって必要な機能や連携するデータソースは大きく異なります。このフェーズで目的の解像度が低いままプロジェクトを進めてしまうと、開発完了後に「思っていたものと違う」という事態が発生しやすくなります。

目的が定まったら、現場担当者や各部門へのヒアリングを実施し、可視化したいデータの種類、更新頻度、利用するユーザーの範囲、既存システムとの連携要件などを整理します。この段階で「プロジェクト推進担当者」を明確に定めることが成功の鍵です。ウイングアーク1stのカスタマーサクセスサイトでも推進担当者の設置が強く推奨されており、担当者がMOTION BOARDの理解を深めながら社内展開をリードすることで、組織全体への定着スピードが大きく変わります。また、クラウド版かオンプレミス版かの選定もこのフェーズで行い、選定結果をもとに予算計画と大まかなスケジュールを策定します。

設計・開発フェーズ

設計・開発フェーズでは、要件定義で整理した内容をもとに、具体的なダッシュボードの設計と環境構築を行います。まず、データソースの接続設定を行います。社内基幹システムのデータベース、クラウドサービスのAPI、CSVファイルなど、複数のデータソースをMotionBoardに接続し、必要なデータをリアルタイムまたはバッチで取り込めるよう設定します。異なる種類のデータを集約する作業はそれなりの工数がかかるため、導入パートナーの支援を活用することが多いです。この段階でデータのクレンジングや統一フォーマットへの変換作業が発生する場合もあり、データ品質の確認を丁寧に行うことが後工程での手戻りを防ぎます。

環境構築が完了したら、いよいよダッシュボードの作成に移ります。MotionBoardのダッシュボード作成はノンプログラミングで行えるため、IT部門だけでなくユーザー部門の担当者も参加できます。ヒアリングで確認した「どのチャートで何を見せるか」という設計に沿い、棒グラフ、折れ線グラフ、地図、ゲージ、ガントチャートなど豊富なコンポーネントを組み合わせてボードを構築します。プロトタイプを早期に作成してユーザー部門にレビューしてもらい、フィードバックを反映しながらイテレーティブに改善していくアプローチが効果的です。三島食品では生産スケジュール管理・工場内温湿度管理・生産設備の稼働監視・原材料品質管理など多岐にわたる用途でMotionBoardを活用しており、最初は小さなスコープで始めて徐々に活用範囲を拡大したことが成功要因の一つとなっています。

テスト・リリースフェーズ

テスト・リリースフェーズでは、構築したダッシュボードが要件どおりに動作するかを検証します。まず、データの取り込み結果が正しいかを確認するデータ検証テストを実施します。元のデータソースの数値とMotionBoardが表示する集計値が一致しているかを確認するとともに、リアルタイム更新の遅延許容範囲や、ピーク時の同時接続数に対するパフォーマンスを測定します。次に、実際のユーザー部門担当者によるユーザー受け入れテスト(UAT)を行い、使い勝手や見やすさ、必要な情報が適切に表示されているかについてフィードバックを集めます。

テストで洗い出された課題を修正したら、本番環境へのリリース準備を進めます。クラウド版であれば本番環境への移行作業は比較的シンプルですが、オンプレミス版では本番サーバーへのインストールやネットワーク設定の確認が必要です。リリース後は利用者向けのトレーニングを実施します。ウイングアーク1stでは定期開催のトレーニングプログラムを提供しており、ダッシュボード作成の基礎から応用の分析機能まで体系的に習得することが可能です。また、運用開始後も現場からの改善要望やデータソースの追加・変更に対応できる体制を継続的に維持することが、MOTION BOARDを長期にわたって活用し続けるための重要な要素となります。

費用相場とコストの内訳

MOTION BOARD費用相場とコストの内訳

MOTION BOARDの導入費用は、ライセンス費用、初期構築費用、ランニングコストの3つで構成されます。予算計画を立てる際には、ライセンス費用だけを見て判断するのではなく、これら3つを合算した総所有コスト(TCO)で検討することが重要です。

ライセンス費用と人件費・工数

MOTION BOARDのクラウド版ライセンス費用は、スタンダードプランで10ユーザー・月額3万円(税抜)、プロフェッショナルプランで10ユーザー・月額6万円(税抜)、IoTプランで10ユーザー・月額9万円(税抜)となっています。クラウド版の初期費用は10万円(税抜)です。オンプレミス版はサブスクリプションライセンスで月額8万円程度から、またはスイートライセンス(全社員利用可)などの形態でも提供されており、利用ユーザー数や機能要件によって最適なプランが変わります。

ライセンス費用に加えて、導入プロジェクトの人件費と工数も重要なコスト要素です。シンプルなダッシュボードを1〜2本構築する小規模プロジェクトであれば、社内のIT担当者と業務担当者が協力して数週間から1か月程度で対応できる場合もあります。一方、複数部門の複数データソースを連携させる中規模以上のプロジェクトでは、ウイングアーク1stの認定パートナー企業や導入支援会社に依頼するケースが多く、その場合の導入支援費用は規模に応じて数十万円から数百万円の範囲で発生することが一般的です。テクバン株式会社やシー・エス・エスなど認定パートナーがヒアリングから環境構築、ダッシュボード開発、運用支援まで一括してサポートするサービスを提供しています。

初期費用以外のランニングコスト

MOTION BOARDの運用を継続していくうえで見落としがちなのが、初期費用以外のランニングコストです。クラウド版では月額ライセンス費用が継続的に発生するほか、利用ユーザーを追加する際の追加ライセンス費用が発生します。大規模なデータを処理する場合はデータ転送量やストレージに関連する費用が増加することもあるため、データ増加のロードマップを見据えた料金シミュレーションが重要です。

オンプレミス版では、サーバーの保守費用や更新費用、OSやミドルウェアのライセンス費用、MOTION BOARDのバージョンアップ対応費用などが継続的に発生します。また、データソースの追加や業務変更に伴うダッシュボードのカスタマイズ費用も現実的に必要なコストとして計画しておくべき項目です。さらに、ユーザートレーニングの費用も継続的に発生します。ウイングアーク1stが提供するトレーニングプログラムへの参加費用、もしくは社内でのナレッジ共有・教育体制の整備にかかる人件費も考慮に入れることで、より正確な年間コストの見積もりが可能になります。

見積もりを取る際のポイント

MOTION BOARD見積もりのポイント

MOTION BOARDの導入プロジェクトを成功させるためには、見積もりを取る段階から適切な準備を行い、信頼できる発注先を選定することが不可欠です。以下では、見積もりを取る際に押さえるべき3つの重要なポイントを解説します。

要件明確化と仕様書の準備

見積もりの精度を高めるためには、依頼側が要件を整理したうえで発注先に提示することが最も重要です。「なんとなくデータを見える化したい」という曖昧なリクエストでは、見積もり金額に大きなブレが生じるだけでなく、実際の要件とかけ離れた提案が返ってくるリスクがあります。具体的には、可視化したいデータの種類と発生源(どのシステムのどのテーブルか、CSVかAPIか)、ダッシュボードの想定ユーザー数とアクセス頻度、更新頻度(リアルタイムか日次バッチか)、利用端末(PC・スマートフォン・工場内モニターなど)、既存システムとの連携要件、そして目指すべき業務改善効果の目標値などをできるだけ具体的に文書化しておきます。

また、MOTION BOARDはデータ分析に特化したセルフサービスBI(Tableau、Power BIなど)とはやや異なるポジションのツールです。データマイニングや高度な統計分析を主目的とする場合は別ツールの検討も必要になる場合があるため、「MOTION BOARDで実現できること・できないこと」を導入前に整理しておくことで、要件定義の精度が格段に上がります。この整理を発注先パートナーとの初期ヒアリングで共有することで、的外れな提案を防ぎ、実効性の高い見積もりを引き出すことができます。

複数社比較と発注先の選び方

MOTION BOARDの導入支援を担う企業は、ウイングアーク1stの認定パートナー制度のもとで多数存在しています。同じ要件でも提案内容や見積もり金額がパートナーによって大きく異なる場合があるため、最低でも2〜3社からの見積もりを取ることが推奨されます。比較する際には、単純な価格の安さだけでなく、MOTION BOARDの導入実績件数や同業種・同規模企業での支援経験、提案内容の具体性、導入後の保守サポート体制なども評価軸に含めます。

特に重視したいのが、「導入後の継続支援体制」です。MOTION BOARDは初期構築が完了した後も、データソースの追加や業務変化に応じたダッシュボードの改修が継続的に発生します。単発の構築で終わるパートナーよりも、運用フェーズでも伴走してくれるパートナーを選ぶことがプロジェクトの長期的な成功につながります。また、ウイングアーク1stのカスタマーサクセスサイトやトレーニングプログラムの活用を積極的に支援してくれるパートナーかどうかも選定の重要な判断材料です。

注意すべきリスクと対策

MOTION BOARDの導入プロジェクトで発生しやすいリスクの一つが「データ整備の遅延」です。複数のシステムからデータを集約する際、データフォーマットの統一やデータクレンジングに想定以上の工数がかかり、スケジュールが遅延するケースが少なくありません。対策としては、要件定義フェーズでデータソースの現状調査を丁寧に行い、データ整備の工数をスケジュールに十分な余裕を持って組み込むことが重要です。また、連携するデータソースの数を最初から絞り込んで小さく始め、段階的に拡張していくスモールスタートの戦略が有効です。

もう一つの代表的なリスクが「社内定着の失敗」です。ダッシュボードを構築しても、現場担当者が実際に活用してくれなければ投資効果は生まれません。防止策として、ダッシュボードの設計段階から現場担当者を巻き込み、「自分たちが使いたいと思えるもの」を一緒に作り上げていくプロセスが重要です。推進担当者が定期的に活用状況をモニタリングし、使われていない機能や改善要望に迅速に対応することで、ツールの定着率を高めることができます。さらに、導入効果を数値で定期的に報告することで、経営層からの継続的な支持を得ることも長期運用の成功要因となります。

まとめ

MOTION BOARDまとめ

本記事では、MOTION BOARDの導入を検討している方に向けて、製品の全体像から具体的な導入の進め方、費用相場、見積もりを取る際のポイントまでを解説しました。改めて要点を整理します。

MOTION BOARDは累計3,900社以上の導入実績を持つ国内トップシェアのBIダッシュボードプラットフォームで、60種類以上のデータソース連携とノンプログラミングによるダッシュボード作成が強みです。提供形態はクラウド版とオンプレミス版があり、クラウド版は短期間・低初期費用で始められる一方、オンプレミス版はセキュリティ要件の厳しい企業に適しています。

導入の進め方は「要件定義・企画フェーズ」「設計・開発フェーズ」「テスト・リリースフェーズ」の3段階が基本で、各フェーズで社内推進担当者を中心に現場担当者を巻き込みながら進めることが成功の鍵です。費用面では、クラウド版スタンダードプランで10ユーザー月額3万円(税抜)から利用でき、初期費用10万円(税抜)に加えて導入支援費用が数十万円〜数百万円程度発生するのが一般的です。見積もりを取る際は要件の明確化と複数社比較を徹底し、導入後の継続支援体制も含めてパートナーを選定することが重要です。データ整備の遅延と社内定着の失敗という2大リスクをあらかじめ想定したプロジェクト設計を行うことで、投資効果を最大化することができます。MOTION BOARDの導入を成功させ、データドリブンな意思決定文化を社内に根付かせるための第一歩として、本記事が役立てば幸いです。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。

 

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