BIツールの導入を検討している企業担当者にとって、「実際どれくらいの費用がかかるのか」という点は最大の関心事のひとつです。特にウイングアーク1st株式会社が提供するMOTION BOARD(MotionBoard)は、国内企業を中心に2,000社以上の導入実績を誇るBIダッシュボードツールですが、ライセンス体系が多岐にわたるため、初めて検討する方にとっては費用感をつかみにくいツールでもあります。
この記事では、MOTION BOARDの導入費用・見積相場・コスト構造を、クラウド版とオンプレミス版それぞれで詳しく解説します。ライセンス料だけでなく、初期費用・ランニングコスト・隠れた費用まで網羅的に紹介しますので、予算計画や見積もり依頼の際にぜひご活用ください。
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・MOTION BOARD導入の完全ガイド
MOTION BOARDの費用相場とコスト構造

MOTION BOARDの費用は、大きく「ライセンス費用」と「導入・構築費用」に分かれます。ライセンス費用はクラウド版(SaaS)とオンプレミス版(パッケージ)で体系が異なり、それぞれに月額サブスクリプション型と買い切り型のパーペチュアルライセンスが用意されています。導入・構築費用はウイングアーク1st社または認定パートナー企業が担当し、要件の複雑さや開発規模によって大きく変動します。費用全体の相場観を持つためには、まず自社の規模・ユーザー数・必要機能を整理した上で、各費用項目を積み上げていく視点が重要です。
導入規模別の費用目安
MOTION BOARDの費用は導入する組織の規模やユーザー数によって大きく異なります。クラウド版(MotionBoard Cloud)では、スタンダードプランが10ユーザーで月額3万円(税別)から、プロフェッショナルプランが10ユーザーで月額6万円(税別)、IoT機能を含むIoTプランが10ユーザーで月額9万円(税別)となっています。いずれのプランも年間契約が基本です。10ユーザーのスタンダードプランで初期費用10万円を含めると、初年度の総額は46万円程度となります。
ユーザー数が増えると当然費用も上乗せとなります。50ユーザーでスタンダードプランを利用する場合、月額は15万円前後まで増加し、年間換算で180万円を超えることも珍しくありません。さらに全社展開を視野に入れるスイートライセンスを選択した場合、ユーザー数の上限が実質的になくなる代わりに、月額・年額ともに大幅に高くなります。具体的な金額はウイングアーク1st社への問い合わせが必要ですが、大手企業で全社展開する場合には年間数百万円から数千万円規模になるケースもあります。
オンプレミス版については、パーペチュアルライセンス(買い切り型)の最小構成が180万円(税別)からとなっており、10ユーザー構成に初年度の年間保守料金を含めると230万円程度が初期投資の目安となります。一方、サブスクリプション型のオンプレミスライセンスは月額8万円から提供されており、5年以上の長期運用を見込む場合はパーペチュアルライセンスとの比較検討が重要になります。
コストを構成する主な要素
MOTION BOARDの導入コストは、ライセンス費用だけで構成されているわけではありません。実際の総コストを把握するには、以下の費用項目を総合的に見積もる必要があります。まず「初期費用」として、クラウド版では導入開始月に10万円(税別)が発生します。これはアカウント設定や初期環境構築にかかる費用です。次に「ライセンス費用」として、選択したプランに応じた月額または年額の利用料が継続的に発生します。
さらに「導入支援・構築費用」が加わります。ウイングアーク1st社の認定パートナー企業に依頼してダッシュボードの設計・開発を行う場合、要件の規模によってはライセンス費用を超える費用が発生することがあります。シンプルなダッシュボード構築であれば50万〜100万円程度で収まるケースもありますが、複数システムからのデータ連携や高度な分析機能の実装が必要な場合は200万〜500万円以上になることもあります。また「保守・運用費用」として、オンプレミス版では年間保守料金が別途かかります。クラウド版でも追加のカスタマイズや機能追加を依頼する際にはスポット費用が発生します。トレーニング費用は1名あたり55,000円(税込)という価格が設定されており、社内にMOTION BOARDの操作に習熟したメンバーを育成するためのコストも見込んでおく必要があります。
MOTION BOARDの見積もり比較のポイント

MOTION BOARDの見積もりを取る際には、単純に「月額いくらか」だけに注目するのではなく、見積書の全体像を正確に読み解く力が求められます。ライセンス費用と構築費用が混在した見積書は、比較が難しく感じることもありますが、費用の内訳を正しく理解することで適切な判断が可能になります。
見積書の読み方と比較の基準
MOTION BOARDの見積書を受け取ったときに最初に確認すべきは、「ライセンス費用」と「構築・開発費用」が明確に分離されているかどうかという点です。パートナー企業によっては、これらをまとめて提示するケースがあるため、内訳が曖昧な場合は必ず分けて説明を求めることが大切です。ライセンス費用は公定価格が存在するため値引き交渉の余地は限定的ですが、構築費用は要件整理の精度やパートナー企業の効率性によって大きく変わります。
次に確認すべきポイントは「契約期間と更新条件」です。クラウド版は年間契約が基本であり、途中解約の条件や更新時の価格変動についても事前に確認しておく必要があります。特に初年度に割引が適用されている場合、2年目以降の費用が跳ね上がることがあるため注意が必要です。また「ユーザー数の増減に応じた価格変動ルール」も重要な確認事項です。10ユーザーを超えた場合の追加費用単価を把握しておくことで、将来の拡張コストを事前に試算できます。さらに「オプション機能の費用」として、帳票出力機能やGEOコーディング(地図連携)機能、IoTデータ接続機能などは基本ライセンスに含まれない場合があるため、必要機能の有無を確認した上で見積書の妥当性を判断することが求められます。
複数社から見積もりを取る方法
MOTION BOARDはウイングアーク1st社が製品を提供していますが、実際の導入支援や構築を担うのは同社の認定パートナー企業(リセラー・SIer)です。大塚商会、日立ソリューションズ、株式会社シー・エス・エス、キッセイコムテックなど、全国に複数の認定パートナーが存在しており、それぞれが独自の導入支援サービスや付加価値を持っています。ライセンス費用そのものは同一ですが、構築・カスタマイズ・保守の費用設定はパートナーによって異なります。
複数のパートナーに見積もり依頼を出す際には、同じ要件定義書やRFP(提案依頼書)を使って比較することが基本です。要件が各社で異なれば、価格の単純比較ができないからです。見積もり依頼の際には、「接続するデータソースの数と種類」「必要なダッシュボードの画面数と複雑さ」「ユーザー数と利用部門」「必要なオプション機能」「サポートや保守の範囲」を具体的に記載することで、より精度の高い見積もりを得ることができます。また、ウイングアーク1st社の公式サイトでは価格表の資料請求が可能であり、まず公式の価格情報を入手した上でパートナーへの見積もり依頼に臨むと、交渉の基準が明確になります。
MOTION BOARDのランニングコストと隠れた費用

MOTION BOARDの導入を検討する際、初期費用とライセンス費用に注目が集まりがちですが、実際の総コストを把握するには導入後に継続的に発生するランニングコストと、見落とされやすい隠れた費用についても正確に理解しておく必要があります。これらを事前に見積もりに含めておかないと、導入後に想定外の出費が続くことになり、予算超過の原因になります。
初期費用以外に発生するコスト
MOTION BOARDの運用開始後に発生する主なランニングコストとして、まず「月額・年額ライセンス費用」があります。クラウド版では月額3万円〜(10ユーザー、スタンダードプラン)が継続的に発生し、年間36万円以上(初期費用別)となります。これは事業規模の拡大に伴いユーザー数が増加すると比例して上昇していきます。
次に「保守・サポート費用」があります。オンプレミス版の場合、年間保守料金はパーペチュアルライセンス購入金額の一定割合(おおよそ15〜20%程度)が目安とされており、180万円のライセンスであれば年間27〜36万円程度の保守費用が発生する計算になります。クラウド版ではサービス利用料に基本的なサポートが含まれますが、高度なカスタマイズ対応や緊急時のスポットサポートは別途有償となる場合があります。
さらに「トレーニング費用」として、1名あたり55,000円(税込)という定額トレーニング料金が設定されています。新入社員や担当者交代のたびにトレーニングが必要となる場合、複数名が受講すると年間で数十万円規模のコストが継続的に発生することになります。また、社内に習熟したメンバーがいない間は、パートナー企業へのスポット依頼(有償)が増える傾向があるため、内製化できる体制を早期に整えることがコスト最適化の鍵となります。
「バージョンアップ・機能追加費用」も見落とせません。MOTION BOARDは定期的に機能アップデートが提供されますが、クラウド版では基本的にアップデートが自動適用されるためこの点のコストは低いです。一方、オンプレミス版ではバージョンアップ作業に工数が発生し、パートナー企業への対応依頼が必要になるケースがあります。
コストを抑えるための実践的アプローチ
MOTION BOARDの導入コストを適切な範囲に収めるためには、いくつかの実践的なアプローチが効果的です。まず、「スモールスタートを選択する」ことが最も基本的な方法です。最小ユーザー数である10ユーザーからスタートし、利用定着・効果測定を経てから段階的に拡張していくことで、不要なライセンス費用の先払いを避けることができます。クラウド版のスタンダードプランで試験導入を行い、必要に応じてプロフェッショナルプランやIoTプランへアップグレードするアプローチは、多くの中小企業が採用しているモデルです。
次に「自社内での運用内製化」を早期に進めることがランニングコスト削減に直結します。トレーニングへの初期投資を行い、社内に複数名の習熟担当者を育成することで、パートナー企業への依頼頻度を下げられます。社内のIT部門またはデータ分析チームがMOTION BOARDの管理・運用を担えるようになれば、スポット依頼コストが大幅に削減できます。また、「必要なオプション機能のみを選択する」ことも重要です。帳票出力機能やGEOコーディング機能は便利ですが、自社の用途に不要であれば追加しないという判断が合理的です。導入前の段階で「何のためにMOTION BOARDを使うか」という目的を明確化することが、無駄なオプション費用の抑制につながります。
MOTION BOARDの見積もり事例と費用シミュレーション

費用の相場観を把握するには、実際の利用シナリオに基づいたシミュレーションが有効です。ここでは規模・目的・要件の異なる3つのケースで費用シミュレーションを行います。自社の状況に近いケースを参考にすることで、より精度の高い予算計画が立てられます。
ケース別の費用シミュレーション
【ケース1:中小企業での基本導入(クラウド版・スモールスタート)】従業員数50〜100名規模の製造業・流通業が、営業部門10名でMOTION Board Cloudのスタンダードプランを導入するケースです。既存のExcelデータやSalesforceとの連携を行い、シンプルな売上ダッシュボードを構築します。初期費用(導入設定費)が10万円、ライセンス費用が月額3万円(年間36万円)、ダッシュボード構築費(パートナー企業)が50〜80万円、トレーニング費用(2名分)が11万円となり、初年度の合計は107〜137万円程度が見込まれます。2年目以降はライセンス費用のみ年間36万円がかかります。
【ケース2:中堅企業での部門展開(クラウド版・プロフェッショナルプラン)】従業員数500名程度の小売業・サービス業が、複数部門30ユーザーでプロフェッショナルプランを導入するケースです。ERPや基幹システムとのデータ連携、複数のダッシュボード作成、帳票出力オプションの追加を行います。初期費用が10万円、ライセンス費用が月額18万円(10ユーザーの3倍換算、年間216万円)、オプション費用(帳票出力)が月額3万円程度(年間36万円)、構築費用が150〜250万円、トレーニング費用(5名分)が27.5万円となり、初年度の合計は440〜540万円程度となります。年間ランニングコストは250万円前後となる見込みです。
【ケース3:大企業でのオンプレミス全社展開】従業員数3,000名以上の製造業が、セキュリティポリシーの関係でオンプレミス版を選択し、工場・営業・経営管理の各部門で活用するケースです。パーペチュアルライセンスの購入費用が500〜1,000万円(ユーザー数・機能に応じて変動)、初期構築費用(データ連携・ダッシュボード設計・開発)が500〜1,000万円、初年度保守費用がライセンス費用の15〜20%程度となります。初年度の合計は1,000〜2,000万円以上になることが多く、その規模感で予算計画を立てる必要があります。一方、長期にわたって利用する場合は買い切り型の費用対効果が高まります。
見積もり依頼時の注意点とリスク回避
MOTION BOARDの見積もりを依頼する際には、いくつかの落とし穴を事前に把握しておくことがリスク回避につながります。最も多いトラブルの原因は「要件の曖昧さ」です。接続するデータソースの数・種類・データ量、表示したいダッシュボードの画面数と更新頻度、ユーザーの利用シナリオが曖昧なまま見積もりを依頼すると、後になって仕様追加・変更による追加費用が大量に発生するケースがあります。見積もり前に社内の要件定義を十分に行い、できる限り具体的な情報を提示することが重要です。
次に「見積もりの有効期限と確定条件」を確認することも大切です。MOTION BOARDのライセンス料は定期的に改定される可能性があり、見積もり取得から発注までの期間が長くなると価格が変わることがあります。特に年度末や消費税改定のタイミングでは価格変更が起きやすいため、見積書の有効期限を必ず確認してください。また「PoC(概念実証)の活用」も有効な手段です。本格導入の前にPoC環境でMOTION BOARDの動作を確認し、自社のシステム環境との整合性を検証することで、本番導入後の手戻りリスクを大幅に低減できます。ウイングアーク1st社や認定パートナーによってはPoC環境を提供しているケースがありますので、積極的に活用することをお勧めします。
また、旭川信用金庫の事例のように、MOTION BOARDとSVFを組み合わせることで年間約3,000時間分の営業店事務削減を実現したケースもあります。こうした費用対効果を事前に試算した上で、導入の是非と適切な投資規模を判断することが、費用対効果の高いMOTION BOARD活用への近道となります。
まとめ

MOTION BOARDの導入費用は、クラウド版では10ユーザーのスタンダードプランで初年度107〜137万円程度から、大企業のオンプレミス全社展開では1,000〜2,000万円以上と、導入規模や形態によって大きく幅があります。ライセンス費用はクラウド版スタンダードで月額3万円(10ユーザー)から、プロフェッショナルで月額6万円、IoT版で月額9万円となっており、オンプレミスのパーペチュアルライセンスは最小構成180万円(税別)からが目安です。
コストを正確に把握するためには、ライセンス費用に加えて初期費用・導入構築費・保守費用・トレーニング費用・オプション費用を包括的に見積もることが不可欠です。複数のパートナー企業から同一条件で見積もりを取り、費用の内訳を比較することで適正価格の判断が可能になります。スモールスタートによる段階的展開と社内内製化の推進が、長期的なコスト最適化の鍵となります。MOTION BOARDの導入を成功させるためには、費用の透明性を高め、費用対効果を事前に十分に検討した上で計画を進めることが最も重要です。
▼全体ガイドの記事
・MOTION BOARD導入の完全ガイド
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
